【呪術廻戦】くゆり舞う【男主】 (ページ6)

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高専ページ6

宮城から新幹線で2時間揺られ、東京から郊外へ暫く向かった先。寺院と緑に囲まれた場所だった。

"東京呪術高等専門学校"と墨で書かれた木板を見ると、胸がザワザワと音を立てた気がした。思わず足を止めた俺に前を歩いていた悠仁くんが首を傾けたけれど、何も無いと誤魔化す。

それより前を歩いていた五条語と名乗る男は
何故か薄く笑っていたような。

「とりあえず悠仁はこれから学長と面談ね。下手打つと入学拒否られるから気張ってね」
「ええっ！！そしたら俺、即死系！？」
「……お前が／貴様が」
「「頭じゃないのか」」

思わぬシンクロだった。ギョッとして声がした方を見ると、悠仁くんの頬に口があってそれが話しているようだった。……キモイな。

悠仁くんがパチンとその口を叩くと、モグラ叩きのように次は手の甲に口が現れる。

「ケヒヒッ。妖香の術師。貴様とは気が合いそうだ」
『俺はあんまりかな』
「あぁ……たまらんなぁこの香り。小僧の体をモノにしたら心ゆくまで愉しみたいものだ」
「は！？お前なぁ！」
「そんなことさせないから。ハイハイ帰った帰った」
「今から楽しみにしてるぞ、夜桜A」

嫌な笑いを残し、宿儺の口は消えた。

妖香、、香り、って言ってたっけ？

『……俺なんか匂う？』
「んん！なんか甘い匂いはすっけど！」
「その話は後でね。僕と悠仁は学長のとこ行くからAは適当にこの辺散策しててくれる？」

悠仁くんの言葉に自分の匂いをスンと嗅いだけど、その甘い匂いとやらは欠片も分からなかった。