忘れじ ページ14
俺じゃない俺は いったい何者なのだろう。
夕日を映す窓ガラスには俺の姿。制服を纏う男がこちらを無表情で見つめている。
これが夜桜A?
でも五条いわく、俺は30年生きている。
俺は五条の先輩であった時がある。
じゃあ今の俺は?
この制服姿の俺は、一体なんなんだ?
"いずれの子孫が背負った業を思い出せ"
業、というのは一般的に行為などを指すが、多分この文章が指しているのは仏教での使い方の方だろう。
その意味は、前世の因縁での報い。
『……っ、』
暗転。
明転。
青い火花と、赤い血飛沫。
ひらりと舞う黒色の布を、俺は確かに掴もうとして。
__ぼくは、大切な二人に死んで欲しくなかった。
『……あ、?』
また暗転した視界に声だけが聞こえて、その声の主は俺自身だった。
硬くて冷たくて、臭くて最悪。
伸ばした俺の手を掴んだ存在がいた。
そうだ、思い出した。
ソイツはぼくに___
「Aさん!!!」
バチッブチッと脳内で千切れて、
もう二度と戻らないと悟る。
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ねかあ(プロフ) - 好きっ。徐々に思い出していく系。がんばってください。 (12月26日 16時) (レス) @page15 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シナモ | 作成日時:2023年12月21日 10時