【呪術廻戦】くゆり舞う【男主】 (ページ13)

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次に連れてこられたのは、畳が敷かれた空間。

夕日が差し込むこの場所は稽古場かな。
なんとなくそう思った。

「でね。Aが使ってた呪具なんだけど、壊れちゃったんだよね！ていうか多分お前が壊した！」
『呪具。』
「"蒼嵐"っていう扇形の呪具なんだけど。夜桜家に伝わる呪具で売ったら5億はくだらなかったね〜いやぁ惜しい！」

以前の俺の金銭感覚もおかしいけれど、それに対してヘラヘラと笑う五条も大概な気がする。

それに俺にはその"蒼嵐"という扇形の呪具について心当たりがあった。

それを思い出すと、あの時現れたソレが
また傍らに音も気配も無く現れた。

白髪長身の人型式神。
これも酩酊術式の一つであり、名前は酔神子。

ソレが俺に渡した物を見て
五条が目を見開く。

「紅赫。蒼嵐とは対になる呪具だ。でもなんでそれを酔神子が……？まさかこうなることを見越して……」
『手合わせでもする？よく知らないけど、お前と俺は同じ特級術師だったんだろ？』
「まぁね。でもフィジカル勝負は話にならなかったよ。お前死ぬほど弱くてさぁ。術式でドーピングしても全敗しちゃってたけど？」
『感覚から取り戻すんだよ。
……俺は強くならなきゃいけなかった』

紅赫を手にして感じたのは、途方もない焦燥感。

俺には目的があった。

絶対に達成しなければと心に、魂に刻んでいた目的が。