【呪術廻戦】くゆり舞う【男主】 (ページ1)

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悪夢ページ1

悪夢を見る。

俺はその悪夢の中で必死に逃げていて、自分でも何から逃げているのか分からないまま。

でも捕まってしまえば恐ろしい事になる事は知っていて、必死に必死に走っている。

悪夢の終わりはいつも同じ。

暗い道の遥か向こうに青い光が見え、

それに俺は手を伸ばして＿＿＿

……

……

助けて。

『っは、、はっ、はっ、』

硬い布団の上で浅い呼吸を繰り返す。

覚醒した体はぐっしょりと寝汗をかいていて、額の汗を手で拭った。

体を起こして時計を見ると、深夜三時。
閉められたカーテンからは僅かに月光が零れていた。

俺の隣の敷布団には少年が眠っている。まだあどけない寝顔に心がじんわりと温かくなるのを感じた。

昔にも、こうやって、

誰かの寝顔を見ていた気がする。

誰の？いつ？

……

思い出せない。

「起きたん？また悪い夢見た？」
『ごめん悠仁くん。起こしちゃって』
「俺は全然平気。それより汗拭こ。そのまんまじゃ風邪引くって」

目を覚ました悠仁くんが汗びっしょりの俺を見るとそう言って、タオルを取りに立ち上がる。

一か月前。

俺は悠仁くんに拾われた。

悠仁くん曰く俺は何故か、路地裏に傷だらけで気絶していたらしい。
そして目覚めた俺は何も覚えていなかった。

正しくは、一か月前以前の記憶がごっそりと抜けているのだ。
覚えていたのは日常生活の方法と、自分の名前がAということだけ。

「追いかけられる夢、だっけ？」
『うん。』
「なんかそういう夢ってプレッシャーとかストレスから見るらしいよ」
『そうなの？でも居候の分際でそんなストレスもプレッシャーも無いからなぁ』
「洗濯とか風呂洗いとかしてくれっから助かってんのに居候とかやめてよ。それに俺Aと生活すんの気に入ってんだ」

ニカッと笑った悠仁くんからタオルを受け取って汗を拭った。こういった小さな事でもデジャブを感じてもどかしい。
俺には確かに、誰かからタオルを受け取った記憶があるんだろう。

「布団濡れたっしょ？俺の布団で一緒に寝る？俺に気にせんよ」
『流石に……』

この言葉には流石に
デジャブは感じなかった。