灰原の秘密に迫る影 ページ40
日に日にまるで不運が色濃くなっていくような日々がここ1週間ほど続いていた。
そしてきっと、
今日の今この時が不運のピーク。
とりあえず一旦深呼吸をして。
⋯⋯
簡単に今までの出来事を思い出してみよう。
コナンくんたちから誘われ、少年探偵団たちと共にやって来たのは群馬のキャンプ地。
そこで薪の為の木の枝を拾っている時に、不運にも絶賛犯罪中の男と出くわしてしまい。
その男から追いかけられるという案の定の展開となったのだ。
「Aお兄さん、足から血が、、」
『大丈夫よ。これ昨日の怪我が開いただけだから。心配しないで歩美ちゃん』
昨日、組織の仕事で負った足の怪我がここで祟って誰よりも先にバテてしまったのが運の尽き。
近くにあった山小屋に飛び込んだのはいいものの、どうやらここにはその男の犯罪の痕跡が残っているようだ。
それを裏づけるように、山小屋の唯一の出口には鎖が巻かれて塞がれてしまった。完全に俺たちを殺しにかかっている。
待ち伏せなんて
まどろっこしいやり方じゃなく、
確実に。
たらりと眉間から流れた汗を拭う。
なんだか息が苦しい。
「Aお兄さん!そのカバンの中には何か入ってないんですか!?」
光彦くんが指を指した先は俺が背負っている黒いリュック。
⋯⋯この中は。
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作者名:テール | 作成日時:2023年5月10日 21時