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ハイ不幸〜〜、俺可哀想〜!
なんて今は思考の奥底に封印しているはずの蒼井Aが大声で叫んで大笑いしている。
いや現実問題、大笑いなんてしている場合では無いのだけど。尚更って言うか、、つまり今俺は猛烈に焦っているのだ。
車窓を流れる夜の景色を眺めるフリをしながら思考はフル回転中。
『⋯⋯なるほど?つまりシェリー捜しの為に毛利小五郎と懇意になりたいと?』
「ええ。最近相手をしてあげられなかった理由はシェリーの行方を探していたからです。すみませんでしたね、寂しい思いをさせてしまって」
『こちとらピンガの手綱握るので毎日死ぬほど大変だったのにまぁ余裕そうで⋯⋯』
「他の男の名前出すなんていい度胸してますねホワイトレディ?」
『バーボンだって他の女の名前出してたしふぃ、』
「なんです?」
『はぁ⋯⋯まぁいいや。相手は名探偵なんだから気をつけなよ』
そういえば一時期、
シェリーの協力者は毛利小五郎だとか
シェリーがジンの車に発信機を仕掛けたとか
あったなぁ、、うん。
どうやらバーボンはその能力で細い細い蜘蛛の糸を見つけてしまい、それを掴もうとしているらしい。
「貴方にも僕の協力者になってもらいますよ」
『⋯⋯具体的には?』
「簡単なことです。貴方には僕の恋人としていてもらうだけですよ。何もすることはないのでご安心を」
『⋯⋯』
コイツは今、蜘蛛の糸を捕らえた。
そしてその糸にはシェリーはもちろん、秀一やコナンくん、その周りの関係ない人たち、
俺だってその糸にぶら下がっている。
危険だ。コイツが毛利小五郎に探りを入れる事は蒼井Aにとっては不利なこと。
でも、組織のホワイトレディとFBIの蒼井Aは同一人物。
それは大きな手札であり、隠し球でもある。
『⋯⋯わかった。
協力者になるよ、バーボン』
そこまで言うと、
その言葉の僅かな違和感に引っかかる。
言葉には意図してなくともその人元来の言い回しが出てしまうものだ。
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作者名:テール | 作成日時:2023年5月10日 21時