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「 あ、そういえば 」と何かを思い出したように言う先生。「 何ですか? 」と尋ねれば、それは私も忘れていた内容で。
「 これ、関節キスやね 」
なんて、何食わぬ顔で言う先生。関節、キス……。その意味がわかれば、急に かあ、と顔が赤くなっていくのが自分でも分かって。そんな私を面白そうに見ながら「 こんなんで照れるなんてやっぱりまだオコチャマやなあ 」とケタケタ笑う先生。
こんなの、って。やっぱり先生にとっては軽いものなのか、と。胸の奥がまた ちくり、も痛んだ気がした。
「 …オコチャマオコチャマ煩いですよ、先生 」
「 だってほんまの事やん。それに今も、顔赤いで? 」
顔が赤いことを指摘されれば、また恥ずかしくなって。大人の余裕、というやつなのか、先生は表情を一切崩していない。
「 先生は照れたりしないんですか 」「 先生はオトナやからこんなんで照れたりせえへんの 」そう言ってそのままブラックコーヒーを飲む先生。
…大人、かあ。私は子供だからか、大人というものがイマイチ分からない。でも、大人になれば少しは先生と距離が近くなるのだろうか、先生に近付けるのだろうか。
「 …先生 」
「 ん? 」
「 私、大人になりますね 」
私がそう言えば、目を丸くする先生。その後「 ふはっ 」と吹き出せば「 Aちゃんには無理やって 」と笑いながら言ってくる。
「 無理なんかじゃない 」そう言おうと思って口を開こうとした時、その口は先生の手によって塞がれて。
先生に手で口を塞がれた状態のまま、少しの沈黙。「 あー… 」と先生が声を出す。
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「 Aちゃんは、オコチャマの方が可愛ええよ 」
「 …だから、大人になんてならんでええの 」
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そう言って、ふい、と視線を逸らす先生。その顔は、いつもの余裕そうな表情なのではなく。先生の言葉に、思わずぽかん、としてしまう。
「 ( か、可愛い、って… ) 」
言葉の意味を理解すれば、また顔が赤くなっていく。いつもの余裕そうな表情じゃない、少し困った様な顔であんな事言われた、先生に。
困った様な表情、というか照れた様な表情というか。なんで、いつも他の女の子に可愛いとかいう時そんな顔しないのに。
そんな顔されたら、少し自惚れてしまう。
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「 ( …いつも余裕なんてある訳無いやん、僕だってまだ子供やわ ) 」
先生が実はこんな事思ってたなんて、私が知る筈もない。
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一期一会。with:LS(プロフ) - ゆきさん» 申し訳ありません。この企画は既に募集を終了していて、メンバーが集まった上で書いています…!わざわざ本当にすみません! (2017年9月29日 22時) (レス) id: e937ac9e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 参加してもいい? (2017年9月29日 22時) (レス) id: a5d3d316d7 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 一期一会。with:LSさん» ありがとうございます精一杯頑張ります (2017年9月22日 20時) (レス) id: 9fefa778bd (このIDを非表示/違反報告)
一期一会。with:LS(プロフ) - 千夜さん» いえいえ、全然場違いなんかじゃありません、参加してくださっただけで嬉しいですよ〜! (2017年9月22日 18時) (レス) id: e937ac9e82 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 素晴らしいかったです私もこのぐらい素晴らしい作品作りたいです場違いな気しかしませんが私も頑張ります (2017年9月22日 7時) (レス) id: 9fefa778bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豪華作者様たち x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/musou/
作成日時:2017年9月21日 18時