【歌い手/大型コラボ企画】先生、好きです。

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「 え〜、そうなん？残念 」なんて笑いながら言えばまた仕事へと戻る先生。…残念なんて思ってないだろ、と心の中でツッコミを入れながら黙々とお弁当を食べ進める。



仕事が終わったのか、「 ん〜 」と伸びをしながら眼鏡を外す先生。「 お疲れ様です 」と言えば「 ん？ああ、有難うね 」とにこり、と言った表情を浮かべる先生。…この先生の表情が、どうも気に食わないのは何故だろうか。





「 あ、Aちゃん。今日もちょっとやっても大丈夫？ 」


「 またですか、…どーぞ 」


「 ん、有難うなあ 」




やる、というのはタバコを吸うことである。本来ならタバコを吸う事は許されていないし、ましてや保険医が生徒の前でタバコを吸う事なんて許される筈が無い。それをこの前先生に言えば「 でも、Aちゃんの前じゃないと吸われへんのよ 」なんて。

他の女の子にもそう言ってるんだろうな、なんて分かってる筈なのに、何故か「 それでもダメです 」と言えなくて。



保健室の扉の鍵をがちゃり、と閉めて誰も入られないようにすれば、窓を開けてタバコを吸い始める先生。風のせいか、タバコの煙がこっちにも来て、思わず こほっ、と咳をしてしまう。

…やっぱり、いつまで経ってもこの匂いには慣れない。




そんな私の咳に気付けば「 Aちゃんもやっぱりまだオコチャマやねえ、オコチャマにはやっぱりこのオトナな匂いは早かった？ 」なんて言いながら笑ってくる先生。でも、そんな姿も画になって、何だか、悔しくて。





「 …煩いですよ、女好きが 」


「 ちょ、酷ない？ 」




「 まあ、否定はせえへんけど 」なんて言いながらタバコを吸い続ける先生。その言葉に、胸がチクリと痛くなったのはきっと気の所為。…というより、気の所為では無かったら困るのだ。先生も、私も。

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