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お邪魔しますー、と音楽室へと入って、天月くんはそのまま椅子に座った。
彼に続いて音楽室のドアを閉めて、元のピアノの前の椅子に座る。
天月くんの座ってる席は窓際の、1番前の席。
授業の時も、その場所に座っているからか、私にとって天月くんの定位置は窓際の1番前の席。
ピアノと1番近いその席に座ってじっと私を見つめる。
視線に耐えきれずに、必死に合わせまいとしていた目を合わせるように顔を上げた。
「……どうしたの?」
「先生」
すきだよ
ふわ、と優し気な微笑みと共に彼の口から出てきた言葉。
最初に直接私に伝えて来たのはいつだったか、つい最近のようなかなり前だったような。
ぽつり、喉を震わせて出てきた言葉。
「……ごめんね、」
すこし、天月くんは俯いて、さらさらな前髪が彼の顔を隠した。
先生と、生徒。
当たり前のようだけど恋愛なんてもってのほか。
そのことを分かって天月くんは毎週木曜日、私の元へ来てすきだよ、って。
毎回答えは決まっているというのに、天月くんは懲りる様子もない。
毎週天月くんが私に会いに来ること
それは、当たり前の日課のように私の日常として固定されつつある。
「……嫌い?」
「ううん」
「……やっぱり、この関係じゃだめ?」
だめ。
……だめ、なんだよ。
「……天月くん、」
あのね、と言葉を続けようとしたけど、後に続く言葉が頭に浮かんでは消えていく。
「……」
言えるわけがない。
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一期一会。with:LS(プロフ) - ゆきさん» 申し訳ありません。この企画は既に募集を終了していて、メンバーが集まった上で書いています…!わざわざ本当にすみません! (2017年9月29日 22時) (レス) id: e937ac9e82 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 参加してもいい? (2017年9月29日 22時) (レス) id: a5d3d316d7 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 一期一会。with:LSさん» ありがとうございます精一杯頑張ります (2017年9月22日 20時) (レス) id: 9fefa778bd (このIDを非表示/違反報告)
一期一会。with:LS(プロフ) - 千夜さん» いえいえ、全然場違いなんかじゃありません、参加してくださっただけで嬉しいですよ〜! (2017年9月22日 18時) (レス) id: e937ac9e82 (このIDを非表示/違反報告)
千夜 - 素晴らしいかったです私もこのぐらい素晴らしい作品作りたいです場違いな気しかしませんが私も頑張ります (2017年9月22日 7時) (レス) id: 9fefa778bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豪華作者様たち x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/musou/
作成日時:2017年9月21日 18時