第三話 自己紹介�� ページ8
ハッと気づいたように市松模様さんが口を開く。
「そういえば自己紹介をしていなかったな。俺は竈門炭治郎だ。」
「確かにしてなかったね！俺は我妻善逸だよ。」
市松模様さんが炭治郎さん、黄色さんが善逸さん。
マンムーさんはそんな会話をお構いなしにご飯を食べ続ける。驚くことにマンムーのような頭は被り物だったようで、それを取った今はとても綺麗な顔が現れていた。食べる手を休める気配がない彼に苦笑いをして、炭治郎さんが代わりに紹介してくれた。
「彼は嘴平伊之助。あと、箱に入っているのが俺の妹で禰豆子というんだ。訳があって、昼間はあまり出歩けないが…。」
少し寂しそうに笑う炭治郎さん。何故箱に入ったのか気になってはいたが、詳しくは聞かないほうがよさそうだ。
「私はAです。こっちはパートナーのピカチュウ。」
「Aちゃんっていうんだ〜。可愛いね！俺と結婚しない？」
ニコニコと笑う善逸さん。そういえばさっきも求婚された気がする。
どうしようと反応に困っていると、ご飯をほおばりながら伊之助さんが口を開いた。
「で、そいつは何者なんだ？」
ギロリとピカチュウを睨みつける彼の言葉に、私とピカチュウはハテナマークを浮かべながら目を合わせる。
何者、とはどういう意味だろうか。
慌てて炭治郎さんが伊之助さんを制する。
「伊之助。…さっきは助けてくれてありがとう。ただ、不思議なことをしているように見えたんだ。だから気になっていて…。」
「…あ、ピカチュウが珍しいって事ですか？私の出身地方でもわりと珍しいんですよ。でも、わざは普通の10まんボルトでしたけど？」
私の言葉に炭治郎さんと善逸さんの眉間にしわが寄る。
彼らは何も言わない。私は何か変ことを言っただろうか。
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
