昔も今も、これからも第一幕 (ページ6)

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第二話　飛ばされた世界③ ページ6

そこからは、目の前の状況を理解するのに必死だった。

彼らはあきらかに何かと戦っている。でもその何かは、私たちの目に映っていない。高速で移動しているようだ。

「くそっ！全然姿が見えねぇ！！」

「伊之助、落ち着いて気配を探るんだ！！」

「むー…！」

「ひいぃぃ！なんなんだよぉぉ！！」

ドキドキと、心臓がうるさい。

前で戦うマンムーさんと市松模様さん、私を守るように立つ女の人と黄色さん。張り詰めた緊張感。

腕の中にいたピカチュウが腕から抜け出し、私を見つめる。

「ピカチュウ…。」

任せろ、そう力強くうなずくピカチュウ。

今おきていることも、あれがなんなのかも、まだよくわかっていない。

怖くて、逃げ出したい気持ちがいっぱいだったけど、相棒がやる気なら、私も逃げるわけにはいかない。

大丈夫、きっと大丈夫。だって私は、ピカチュウを信じている。

目を閉じて深呼吸をする。

「行くよ、ピカチュウ！10まんボルト！！」

私の言葉に、彼は走り出した。

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