第十一話 覚悟�� ページ34
立ちあがった鬼をみると、ダメージが結構あったようだがやはりすぐに回復してしまった。
あくまで私たちにできることは、鬼の隙をつくること。
「リザードン空へ！」
向かってくる鬼を上に飛んでさける。
鬼は今、自分にダメージを与えたリザードンに夢中だ。
「ドラゴンテール！」
空中から地面にむかってくりだすドラゴンテールは結構な威力だけれど、鬼はそれをサラリとかわすようにジャンプする。
ニヤニヤとリザードンを見る鬼に、ニヒルな笑いを返すリザードン。
そう、ドラゴンテールを避けてくれてありがとう。
「水の呼吸 壱ノ型 水面切り！！」
鬼が気づいたときには、もうすでに炭治郎さんの刀が頸を通ったあとだった。
サラサラと鬼が灰になって消えていく。
その姿を見届けて、私は地面に座りこんだ。
足がガクガクと震え、立っていられなかった。
サァッとリザードンが近くまで飛んできて心配そうに顔を覗き込む。
そんな彼を見たら少し安心した。
「ありがとう。ケガしてない？」
そう言って頭をなでると、嬉しそうにうなずいた。
もう一度お礼を言ってボールに戻す。
それと同時に禰豆子さんが私に抱き着いた。
ぐりぐりと頭を私の首に押し付けるそれは、まるで無事でよかった、そう言ってくれているようだった。
心がポカポカして、ああ、頑張ってよかった、そう思った。
やっと力が入るようになった体で、禰豆子さんにぎゅっと抱き着く。
ふと、前から視線を感じた。
「…とりあえず、藤の家紋の家を探そう。」
目が合った瞬間に翻した炭治郎さんの表情は、見せてもらえなかった。
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
