第十話 ルカリオVS嘴平伊之助�� ページ29
いままでにない勢いで炭治郎さんと善逸さんに問い詰められたので、お館様のお屋敷での事を３人に話した。
炭治郎さんも善逸さんもかなり心配してくれたが、伊之助さんが一言。
「こいつが決めたことなんだから今更何言ったって変わんねえだろ。」
まさか伊之助さんがそんな風に言ってくれるとは思わずに驚いた。
それはふたりも同じだったようで、何も言えなくなっていた。
「じゃ、じゃあ始めましょうか。炭治郎さん、善逸さん、ピカチュウをお願いしますね。」
そう言って伊之助さんと向かい合う。
伊之助さんには私も狙ってくれて構わないと言い、ルカリオにも私を守りながら戦ってほしいと説明した。
ルカリオに指示を出しながら、自分の事も考えなければいけないのかと思っていると、真横で大きな音がした。
驚いてみると、そこには伊之助さんとルカリオ。
そうか、スタート合図がないんだ。
これは、ポケモンバトルじゃない。
ルカリオが反応してくれていなければ、私は今伊之助さんにやられていた。
伊之助さんが鬼だったら、食われていた。
ゾクッと背筋が凍る。
だめだ、怖がっている場合じゃない。
気合を入れなおし、ふたりと距離をとる。
いつも通り、冷静に。
深呼吸をして、ルカリオに指示を出す。
「ルカリオ、距離をとってラスターカノン！」
私の声に待ってましたとばかり反応するルカリオ。
ラスターカノンは特殊攻撃。
物理攻撃を主とする伊之助さんには馴染みのないものだろう。
「獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き！」
ヒットするかと思ったが、攻撃を少しずらされた。
ダメージはそれほど与えられていないだろう。
これが、鬼殺隊の特別な呼吸法なのか？
あきらかに普通の人より動きが早い。
私の目ではとらえられない。
ルカリオはなんとか反応できているが、これじゃあ防戦一方だ。
「ハハハハハ！お前らこんなもんかよ！すぐに勝負がつきそうだなァ！！獣の呼吸 肆ノ型 切細裂き！！」
私の後ろから声がして、まずいと振り返った時にはもうルカリオが攻撃をうけていた。
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
