第一話 はじまりのポケモン�� ページ3
世界を生み出したとされる、はじまりのポケモン、アルセウス。
私たちのいるこの世界の他にも、パラレルワールドのいくつかの世界を見守っているよう。だが最近、そんな世界たちに何らかの力によって歪みがおきているらしい。
そのせいでアルセウスの力が弱まり、彼の生まれたこの世界で傷を負った体を癒しているところだという。
「…それで、私たちは何をすればいいの？」
「私の代わりに歪みの元を探し、正常に戻してほしい。」
言われた言葉を理解するのに時間がかかった。
私たちが、アルセウスの代わりに、世界の歪みをなおす…？
「ムリムリムリー！！それはさすがにムリでしょ！？」
アルセウスがなにかを言っているが、ピカチュウと共に騒いでいるためよくわからない。
助けたいとは思うが、人には出来る事と出来ない事がある。
何分かその状態が続き、アルセウスがため息をついた。
「ディアルガ、パルキア」
彼の言葉と共にドンッと大きな音がして、私たちの目の前には時間を司るディアルガと空間を司るパルキアがいた。
驚きすぎて言葉がでない。まさか伝説のポケモン３体と出会うなんて。
「A。ピカチュウ。」
アルセウスに名前を呼ばれると、目を開けていられないほどの光が辺りを包んだ。ピカチュウもおどろいて胸に飛び込んでくる。
「ディアルガとパルキアが安全に世界を運んでくれる。お前たちならきっと大丈夫だと信じている。頼んだぞ。」
信じているといわれても…。そんな言葉を最後に意識が遠のいていく。
ピカチュウと離れないようにぎゅっと抱きしめる。
何が起きているのか最早わからないし、これからどうするべきなのか全くわからないけれど、仕方ない、やってみよう。私に、私たちに出来る事を。
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
