第七話 特別柱合会議�� ページ20
声は庭に面する屋敷のお部屋からで、そっちをみると、かわいらしい女の子たちと、その子たちに手を引かれる男の人がいた。
目が、見えていないようだ。
ぼーっとしていると、その場の全員が膝をつき頭を下げていた。
どうしようと思っていると、近くまで来た男の人が話し始めた。
「突然の招集、すまなかったね。でも、みんなに会えて嬉しいよ。」
「お館様におかれましてもご壮健でなによりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます。」
「ありがとう、しのぶ。」
お館様。この人が、お館様。
「A。」
突然名前を呼ばれて驚く。
どうしてこの人は私の名前を知っているのだろう。
ドキドキと心臓がうるさい。
返事がないからか、気持ちがばれているのか。
お館様は小さく笑う。
「しのぶから報告を受けていてね。驚かせてしまったかな？」
「っ、はい、あ、いえ、あの…！」
なんだかふわふわとして、慌てたように返事をする私に、しのぶさんが笑う。
笑っていないで助けてほしい…。
というよりも、私は立ったままなのだが、このままでいいのだろうか…。
「さて、しのぶ。他のみんなが気になっているだろうから、説明をしてくれるかな。」
お館様の言葉に、しのぶさんは御意、と返事をした。
その後しのぶさんは、私の事を話し始めた。
私がしのぶさんにお話した事すべて。
そして、調べた私の血に普通とは異なる成分が入っていたこと。
話し終わったとき、案の定の反応が返ってきた。
「信じられねえな、そんな話。」
顔に傷がある人が、ギロリと私を睨んだ。
「アルセウスだかなんだか知らねえが、世界が歪むってどんな状況だよ。いくら血の成分が違っても、そんな話信じるって方がおかしい。」
彼の言葉に、賛同の声が聞こえる。
今までが、特別だったんだ。
すんなりと信じてくれる人はきっと少ない。
ましてや、アルセウスなんて聞いたこともないだろうから。
これが、普通、なんだよな。
それよりも、と傷に人が続ける。
「そんな得体のしれない奴をこの敷地に易々入れてるお前が許せねえよ胡蝶。」
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
