昔も今も、これからも第一幕 (ページ17)

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第六話　鬼③ ページ17

「もうひとつ、伝えたいことがあるんだ。」

日がかけてきて、少しだけ暗くなった部屋。

炭治郎さんの表情はまだ見える。
とても哀しそうな顔をしていた。

禰豆子さんが箱から出る音がした。

でも、私の視線は彼からそらせなくて、そんな彼の口から出た言葉に、驚きを隠せなかった。

「禰豆子は、鬼なんだ。」

禰豆子さんが、鬼？
炭治郎さんの妹の、禰豆子さんが？

「鬼は傷口に鬼舞辻という鬼の血が入ることでつくられる。家族が全員殺されて…禰豆子は、禰豆子だけが…奴に鬼にされたんだ…！」

悔しそうで、怒りに満ちた表情の炭治郎さんをじっと見ていると、彼はハッとして慌てた様子を見せた。

「っでも、禰豆子は人を食わない！今までも食べたことはない！」

スッと、何かが私のすぐ隣に座った。

隣を見ると、箱から出た禰豆子さんがじっとこっちを見ていた。

そうか、だから昼間は出てこられないのか。
鬼は太陽が苦手だから。

鬼。あの時のあれと、同じ、鬼。

……おなじ？ほんとうに？

ピンクの目が私をとらえて離さない。
無言で見つめあっていると、禰豆子さんがふと私に向かって手を伸ばした。

ポンッと頭に手を置かれる。それと同時に、私の目から涙が流れた。

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