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第六話 鬼�� ページ15
診察と採血が終わり、しのぶさんは1つの部屋に連れてきてくれた。
戸を開けるとそこには炭治郎さんたちがいて、大丈夫だったかと心配してくれる。
「はい、大丈夫でした。」
「Aさん、この部屋は好きに使ってくださいね。足りないものは後で持ってこさせますので。」
「あ、ありがとうございます、しのぶさん。」
にこりと笑ってしのぶさんは戻っていった。
家がない私にここに住むように勧めてくれたのだ。
本当に、優しい人だ。
部屋に入って彼らに近づく。
「怪我がなくて本当に良かった。」
炭治郎さんが笑って迎えてくれる。
善逸さんが用意してくれたお茶を飲みながら、しのぶさんとの会話を伝える。
みんなで笑いながら話していると、炭治郎さんが真剣な顔になった。
「A、約束の話をしてもいいか？」
その言葉にドキリとする。
本当に聞いてもいいのだろうか。
また不安が押し寄せる。
膝においた自分の手を握り締めると、隣に座っている善逸さんがその手を優しく包んだ。
善逸さんを見ると、とても柔らかく笑っていた。
「大丈夫だよ。」
ふにゃっとしたその笑顔は、すこし頼りない感じだったが、とても暖かく安心できるものだった。
それにこたえるように私も笑うと、善逸さんは顔を赤くして目をそらした。
その反応がなんだかはよくわからなかったが、私は炭治郎さんへ視線を戻し、うなずいた。
「お願いします。」
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作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
