第一話 はじまりのポケモン�� ページ1
雲1つない晴天。そんな空を見上げて飛行機で固まった体を伸ばす。
懐かしいミアレシティの空。
今まで色んな地方に行ったけれど、やっぱり育ったこの地方、この街が一番落ち着く。
視線を上から前に落とすと、相棒であるピカチュウが早く行こうと声を上げ走り出す。
彼も久しぶりに帰ってきたのが嬉しいようだ。
ピカチュウは旅を始めた頃からずっと一緒にいる。
お父さんが旅に出る私のためにカントーで捕まえてきてくれたのだ。
「待ってよピカチュウ！」
私の最初のポケモン。
そんな相棒を追って、私も前へ走り出した
旅を続けていた私が何故ミアレに戻ってきたのかというと、幼いころからお世話になっているプラターヌ博士にお願いしたいことがある、と呼び出されたからだ。
なんでも16番道路の脇を入って森の奥へ進んだ先に突然洞窟が現れ、そこに入るといつの間にか16番道路まで戻っているという不思議な現象がおきているらしい。
「洞窟に一体何があるんだろうね、ピカチュウ。」
私の隣をトコトコと歩くピカチュウも首をかしげる。
プラターヌ博士は、もしかしたらポケモンの仕業かもしれないと言っていたけど、そんな力をもったポケモンなんて居ただろうか？
疑問を持ちながらも、私たちは森へ足を踏み入れた。
「これは…。」
目の前には私の何倍もある大きな洞窟。プラターヌ博士が言っていたのはおそらくここで間違いないだろう。
思ったよりも大きいが怖い雰囲気ではなく、何故だかわからないけれど、中から呼ばれているように感じる。
「ピカチュウ行くよ。覚悟はいい？」
私の言葉に大きくうなずき元気な声を上げるピカチュウ。
二人で目をしっかり合わせてからもう一度前を見る。
ごくりと喉を鳴らし、慎重に進み始める。
洞窟の中は何故か暗くはなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 19人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さりー | 作成日時：2020年7月10日 21時
