甘い苺の魔法 3 ページ24
部屋に着き彼女を下ろすと、イゾウは後ろ手で鍵を閉めた。
Aは急いで鏡台の前に行き、その場でくるくると回り、耳としっぽを交互に見ながら慌てていた。
｢どうしようイゾウさん、こんなんじゃ私っ、外歩けない！サッチさんの所にも行けそうにないわ！｣
｢まァ…来れたらって言われたんだろ？行かなきゃいいじゃねェか。｣
｢そうだけど…。これ、どうしたら取れるのかしら。…痛いっ！｣
引っ張ってみても完全に生えている物が取れる訳もなく、途方に暮れるA。
イゾウはそんな彼女を自分の膝の上に乗せた。
目を細め、耳の付け根や髪、そのまま背中へ手を滑らせ、撫でていく。
しっぽがゆらゆら動き、とろんとした表情でイゾウを見つめ、擦り寄った。
｢もっと撫でて…？｣
｢ああ、いいよ。気持ちいいか？｣
｢ん…。｣
ゴロゴロと喉を鳴らし、下顎を擦り付けるようにイゾウの首元に顔を埋める彼女を、愛おしそうに見つめながら、ゆっくりと撫でてあげるイゾウ。
｢愛いなァ…。｣
｢ふふ、大好きよ。｣
しっぽをピンと立て、キスを落とす。
普段あまり見られないような積極的な愛情表現に、イゾウも喉を鳴らし、嬉しそうに笑った。
｢お嬢は、どんな姿でも愛らしいな。｣
撫で続けているうちに、いつの間にかぴったりと寄り添い、眠ってしまった。
そんな彼女の額に口付けをし、ベッドへ運ぶ。
ベッドへ下ろし、シャワーでも浴びようかと離れようとした時、袖を引かれた。
｢いぞ、さ…一緒に、寝よ？｣
蕩けるような眼差しに射抜かれ、吸い寄せられるようにそのまま覆い被さり、深く口付けた。
首に腕を回しキスに応えた彼女は、蜂蜜のように甘い瞳をイゾウに向ける。
｢寝ないの？イゾウさん。｣
ゆっくりとした瞬きの後に現れた碧眼は、甘やかな熱を含んでいた。
｢お嬢は、どうしたい？｣
そっと頬を撫で、唇を撫でるイゾウ。
その指を甘噛みし、舌を這わせるA。
｢…全く、どこで覚えたんだか。お嬢はおれを惑わせる天才だねェ。｣
｢嫌？｣
｢まさか。愛しくて堪らねェってのに、嫌な訳があるか。｣
｢ふふっ、大好きよイゾウさん。｣
｢ああ、知ってる。｣
視線は絡み合い、どちらともなく唇を重ねた。
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雨音(プロフ) - メルディアナさん» 甘いのが続いたので、嫉妬系にしてしまいましたが、楽しんでいただけて良かったです！甘々も近いうちに書きますね。ありがとうございました！ (2022年7月21日 7時) (
レス) id: 95f98cf5bb (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - この話も良かったです。もっと甘いのも見てみたいです (2022年7月21日 0時) (レス) @page34 id: 4fe2c4e2da (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - メルディアナさん» いつもありがとうございます♪承りました！ (2022年7月17日 21時) (レス) id: 95f98cf5bb (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - お風呂でイゾウに抱かれる話をみたいです。 (2022年7月17日 15時) (レス) id: 4fe2c4e2da (このIDを非表示/違反報告)
メルディアナ(プロフ) - とっても楽しかったです。ありがとうございました！ (2022年7月16日 23時) (レス) @page26 id: 4fe2c4e2da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 | 作成日時：2022年6月29日 23時
