___ ページ28
.
Aの目からポロポロと涙が溢れ出て、慌てて飛び起きる。
「泣くか笑うかどっちかにしてくれます、まじで困るから」
「だってさ、吉沢さんがさ」
「一途でしょー?俺いい男でしょー?」
喉の奥で息を噛み殺しながらうんうん、と頷いて涙を拭く。
「吉沢さん」
「なに、もう喋れるの?まだめちゃくちゃ泣いてるけど(笑)」
「いやもうなんか、うん、ごめん(笑)」
「ごめんて言うのは」
「違う違う(笑)ごめん、そう、だから」
今一度涙を拭いて、ぐすんと鼻を鳴らして、息を整えたAが俺を見上げる。
「たくさん泣いてごめんね(笑)」
「いや、散々日本酒飲んでたから涙も日本酒の味すんのかなって」
「ねぇ(笑)いま?」
「ごめんうそ、ちゃんと聞きます」
胸がざわつく。
だってAがめちゃくちゃかわいい顔して笑うから、期待だってしたくなる。
「私もちゃんと進むから」
「はい」
「菅田さんのこと」
「出た(笑)」
「(笑)菅田さんのことちゃんと過去にして、進んでみるから」
「そうですか、ぜひそうしてください(笑)それから吉沢亮を見つめ直してください」
「自分で言っちゃうの(笑)」
「だってそういう流れでしょ?(笑)」
「んはは、人が真面目に」
「俺も真面目よ、全然真面目に告白しましたから」
「はい(笑)」
「また菅田くん出てきたけど」
「ごめんて(笑)」
「でも待ってるとか言わないからね」
「早くしないとみたいな?」
「なに(笑)早くしないと俺どっか行っちゃうぞ!ってこと?(笑)」
「そうそう」
「違うけどまぁそういうことにしとこ(笑)」
「えー!どういうこと?」
「いいからあんたは早く菅田くん忘れなさいよ!」
「はい(笑)」
濡れたまつ毛がキラキラ光って最後に一度鼻を啜ったきり、Aは楽しそうに笑った。
「いいね、吉沢さんといるとさ」
「でしょ〜」
焦らなくていいから、待ってるなんて厚かましいこと言わないから、焦らずに過ごしていきましょうと、そんなことを思う。
ただの春なら何度でもくる
寝ても醒めてもあなたのためだけの夜
.
69人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haco.(プロフ) - 08さん» ありがとうでやす! (2022年6月27日 10時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
08(プロフ) - まってやす (2022年6月26日 0時) (レス) @page45 id: efa12fa1f1 (このIDを非表示/違反報告)
rinrin(プロフ) - haco.さん» あと少しのこのお話もまたいつか始まる菅田さんの物語も楽しみにしています!いつも素敵なお話ありがとうございます😌 (2022年6月15日 23時) (レス) id: 73e4a2e97b (このIDを非表示/違反報告)
haco.(プロフ) - ayakaさん» コメントありがとうございます☺️正直終われるのか?ってくらいに自分の中でまとまりのないストーリー展開になっておりまして(笑)終が2章にまたがるかもしれませんがもう少々お付き合い頂けますと嬉しいです☺️よろしくお願いします! (2022年6月15日 22時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
haco.(プロフ) - rinrinさん» rinrinさん!相も変わらず読んでいただけて嬉しいです。終わりに向かって徐々にお話も進んでいきますのでもう少々お付き合い頂けると嬉しいです☺️また菅田さんの後輩の物語書こうと思ってるので、その時も、是非ともよろしくお願いします。 (2022年6月15日 22時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:haco. | 作成日時:2022年5月16日 0時