___ ページ16
.
「お邪魔しまーす」
「なにそれ(笑)」
「やっべ、スッゲーどきどきする」
「いつも寝てるじゃん」
「俺ん家でね?女の子のベッドとなれば話は別でしょ」
「そんなもんかね」
そーっと布団に入り込む吉沢さん。
どういう風の吹き回しなのか、我が家で寝るのは初めて。
「うわーキモいこと言うけどすげーAの匂いする」
「なにそれ、いい匂い?」
「じゃなかったら言わねーよ(笑)」
「そうですか、そんなん初めて言われた」
菅田さんは、私の匂いとかわかるのかな。
このベッドで眠るたび、私の夢とか見たりしなかったのかな。
「ねぇ、あのさ」
「はい」
「俺も部屋着置いてってい?」
「え、いいよ(笑)」
「何笑ってんの」
「えー、なんか嬉しいから。今まで意地でも泊まらなかったじゃん(笑)」
「だってねぇ」
天井を見上げたままの吉沢さん。
バサバサのまつ毛が重たそうに瞬く。
「菅田くんの場所だったじゃん」
「ああ、」
「俺カッコ悪いのよ、知ってると思うけど」
綺麗に天を目指すような鼻に手を伸ばす。
「かっこいいよ、吉沢さん」
「顔はね」
「中身もちゃんといいやつだよ」
「それは気のせい」
「やたら弱気だね」
「菅田くんが寝てたベッドで寝てると思うと今心折れそうですから(笑)」
「ねーさっきから過去形ばっかり(笑)」
「それは事実じゃん」
「うん」
「そこは認めてよ」
「うん」
菅田さんの全てが過去になりつつある。
「吉沢亮嫌いになっちゃった?(笑)」
「ぜんぜん」
体ごとこちらを向いた。
「はぁー、やばいすぐ寝れそう」
「私まだ寝れないから起きててよ」
「今何時?」
「んー、1時過ぎ」
「もう誕生日終わったからわがまま聞いてあげられないわ」
「やなやつー(笑)」
「さっきはいいやつって言われたんで信じませーん」
「うわー!やなやつー!(笑)」
「ふふ(笑)いいよ、何の話する」
眠そうな目で吉沢さんが笑う。
「吉沢さんはやっぱりいいやつだね」
「単純なのに落とせねぇのが不思議だわ」
「ふふ(笑)わかりやすー傷つくわー」
綺麗な笑みを浮かべてゆっくりと目を閉じる。
その顔がゆっくりと静かに眠りへと落ちていくのを眺めてた。
「寝た?」
返ってこない返事。
吉沢さんの綺麗な寝顔を眺めて、お礼を言い忘れたことに気づく。
今日、吉沢さんがいてくれてよかった。
「おやすみ」
思いの丈で着飾って
やさしさに包まれる夜に
.
足跡だらけの白昼夢 △ (ANN)→←思いの丈で着飾って ○
69人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
haco.(プロフ) - 08さん» ありがとうでやす! (2022年6月27日 10時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
08(プロフ) - まってやす (2022年6月26日 0時) (レス) @page45 id: efa12fa1f1 (このIDを非表示/違反報告)
rinrin(プロフ) - haco.さん» あと少しのこのお話もまたいつか始まる菅田さんの物語も楽しみにしています!いつも素敵なお話ありがとうございます😌 (2022年6月15日 23時) (レス) id: 73e4a2e97b (このIDを非表示/違反報告)
haco.(プロフ) - ayakaさん» コメントありがとうございます☺️正直終われるのか?ってくらいに自分の中でまとまりのないストーリー展開になっておりまして(笑)終が2章にまたがるかもしれませんがもう少々お付き合い頂けますと嬉しいです☺️よろしくお願いします! (2022年6月15日 22時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
haco.(プロフ) - rinrinさん» rinrinさん!相も変わらず読んでいただけて嬉しいです。終わりに向かって徐々にお話も進んでいきますのでもう少々お付き合い頂けると嬉しいです☺️また菅田さんの後輩の物語書こうと思ってるので、その時も、是非ともよろしくお願いします。 (2022年6月15日 22時) (レス) id: 2f18d3cac7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:haco. | 作成日時:2022年5月16日 0時