another lazy day. ( 終終 )

美しいひと ページ28

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こんな夜中に、めちゃくちゃシュール。

「あはは(笑)」
「えー、遅くなりましたが、お誕生日、おめでとうございまーす」
「んはは(笑)ありがとうございます」

見上げた先に菅田さん。
長らく会えていなかった菅田さん。
約1ヶ月前の誕生日を滑り台のてっぺんから華々しく祝ってくれる菅田さん。

「自分だって誕生日だったくせに(笑)」

その両手には鉄砲型のシャボン玉。
ぷくぷくと深夜の公園に舞っては消えるシャボン玉。

「ほんまにすいませんでした」
「頭下げながらシャボン玉発射しないでください(笑)」
「え？あかん？(笑)めっちゃ綺麗ちゃう？」
「綺麗です」
「我ながらめちゃくちゃうっとりしたもん」
「うっとりの先に嶋名がいる景色はどうですか」
「ええ、それはもう最高です」
「棒読み(笑)菅田将暉の本気どこ行った(笑)」
「すごない？シャボン玉こんな簡単にばかばか作れる時代」
「そうですね(笑)」
「このピストルの形ってのもそそられるよな」

ニコニコと笑う菅田さんがまるで少年みたいに楽しそうで、見上げた景色はまさに尊い。

「撮影お疲れ様です、うわっ、次のドラマめちゃくちゃ面白そうですね」
「ん？ああ、せやろー？おもろいで」
「うわっ」
「太賀がAちゃんに会いたーいって嘆いてたで」
「私も太賀くんに会いた、んわーん！話に集中できない！(笑)」

こちらめがけてシャボン玉を放つ菅田さんがケタケタと笑う。

「なんて？(笑)」
「シャボン玉ああああ！(笑)」
「綺麗やろ？な？(笑)」
「うわ、もうやめてよ！顔しわくちゃになりそうです」
「その理由は一個も理解でけへん」
「一気に冷める顔やめてください(笑)」
「菅田将暉の本気やん(笑)」
「私もシャボン玉やりたい」
「楽しすぎてもう絶対返しません！とか言い出しそやからなー」
「私のこといくつだと思ってるんですか？」
「小学生ちゃうかったっけ？」
「違うわ！」
「うわうわうわ(笑)来るやん(笑)」

わざとらしく細い鉄の階段を踏みつけてドンドンと音を立てる。
ケタケタ笑う菅田さんを目指しててっぺんまでのぼりつめた。

「思い立ったら即行動派やん(笑)」
「すごいですか？」
「その返しが全然すごない、痛っ(笑)はい。これあれやで、ここ押すだけで出てく、うわっ」
「うぇーい」
「やめろやー(笑)ほんま人にやるのはええけどやられるのは嫌やねんて(笑)」

逃げるようにして滑り台を滑り降りた菅田さんがこちらを見上げた。


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