First Love. ２【白】 (ページ14)

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６３. ページ14

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やば、

　
これの存在すっかり忘れてた

　

　
　
どうしよう…

　

いらないよ、こんなの使わないし
とか言われて返されたら
帰り道こうじくんに泣きながら電話する自信あるぞ(笑)

　

　

　

　

　

「どうした？」

　

　

　

　
リュックを開けて手を止めた僕を
不思議そうな顔で覗き込むAさん

　

　

　
『あ、あのー…、これ』

　
「え？」

　

　

　
僕が持ってたってしょうがないし
もうどうにでもなれ！
と思いながら紙袋を彼女に渡した

　

　
「え、え？何？私に？」

　
『はいっ』

　
「えっ、いいの？なんだろ、開けてもいい？」

　
『どうぞ』

　

　
　

　
Aさんが袋を開けて中を見るまでのその数秒
僕の心臓は周りの人にも音が聞こえてるんじゃないか、ってくらい
ものすごく強く鼓動していた

　

　

　

　

　

　
「……あっ、可愛い～！」

　

　
彼女はそれを取り出し、笑顔で小さくフワフワを揺らした

　

　

　

　
「ラウールくんが選んでくれたの？」
　

『はい、あのー、Aさん髪長いから
　いいかなぁと思ったんですけど…』

　
「あ、切っちゃったもんね(笑)」

　
『すいません、ちゃんと聞けば良かったです』

　
「何で？全然この長さでも使えるよ？
　ほら、こうやって…、ハーフアップとか」

　

　
　

　

パッと、そのシュシュで髪の毛を結んでみせるAさん

　

　

フワフワなそれは彼女の髪色とも合って
雰囲気もぴったりで
自分が選んだものを身につけてくれていると思うと
より一層可愛く見えた

　

　

　

　

「どう？似合うかな？」

　

『はいっ、めっちゃいい感じです！』

「ありがと～」

　

　

　

　
良かったー、喜んでもらえて！
　
失敗じゃなかった！

　

　

　

Aさん白が似合って可愛いし、これにして正解！

　
我ながらセンスあったな(笑)

　

　

「このままつけて帰ろうかな？」

『良いと思いますっ』

「ふふ(笑)ありがとね」

　

『いえいえ』

　

　

　

それにしても、今回は奇跡的に上手くいったけど
サプライズって難しいって、実感した

　
僕にはまだ早いんだ、きっと(笑)

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