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深澤先輩の突然の登場に反射的に女の子達の後ろへと身を隠す私。
居るって分かっていてもなんだか今は緊張しちゃう。
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そんな私に結衣は不思議そうな顔をしてなんで隠れんの？もっと前行こうよー！なんて…
私には私で気付かれたくない理由があるんだって。
結衣には絶対に言えない、けど。
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結衣の言葉にぶんぶんと必死に頭を横に振ると諦めがついたのか一人ギャラリーの前の方へ。
一方肝心の深澤先輩はというと、
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深 「みんな見に来てくれてありがとー。俺達のかっこいいところ今日はたくさん目に焼き付けてね？」
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そう、呑気にいつもの調子で笑っているから
私の存在にはきっと気付いていないだろう。
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そうして、ホイッスルが鳴り試合は始まった。
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深 「なべ、パス！」
渡 「ふっか頼んだ！ナイス！」
深 「…よっしゃ、」
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チームメイトからのパスに華麗なドリブル捌きで続々と得点を入れて行く深澤先輩。
先輩がレイアップシュートを決める度に女の子達の黄色い歓声が聞こえる。
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す、ごい。凄すぎる…
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同じチームの誰かと喜び合うその姿はなんとも魅力的で、試合が始まってからずっと、君から目が離せない。
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深 「そっち守って！行けるよ、大丈夫。」
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深 「…頑張れ、よし！」
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チームが劣勢気味の時は積極的に励ます声がけをしていたり、そんな先輩を見ていてふと思い出す。
この何ヶ月間、私に対しても
ずっと優しく接してくれていたことを。
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『うん。俺がきっと美咲ちゃんのこと、変えてあげる。』
『…一緒に頑張ってみようよ。』
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あ 「…っ」
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額に流れる汗を拭いながら、全力でコートを
駆けて行く深澤先輩の一生懸命な姿。
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深澤先輩がこんなにかっこいいだなんて、私知らない。
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ずっとチャラくて苦手だと思っていた先輩が
こんなにも魅力的だったなんて、私は…
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2021年8月16日 10時
