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カフェで談笑をしたり、商業施設でショッピングをしたりして、
人生で初めてのデートというものを楽しんだ。
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阿 「この服Aちゃんにすっごく似合いそうじゃない？」
あ 「…」
阿 「A、ちゃん…？」
あ 「あ、ごめんなさい。なんでしたっけ、」
阿 「ふふ、ううん…何でもない。次あそこの店見てみよっか？」
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きっと、また阿部先輩のことしょんぼりさせちゃった。
駄目じゃん、私…
今一緒に居るのは、入学当初からずっと想い続けた阿部先輩だよ？そんな先輩との二人きりのデートなんだよ？
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そんな夢みたいな時間、
楽しまないでどうするの、って…
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深澤先輩だって私のこと、ずっと頑張れ、って言ってくれていたのに。
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あ 「阿部先輩、次はあっち行きましょう！」
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その後の私は、頭の片隅で別に想っている人が分かっていて、無理して笑顔をつくっていた。
勘の鋭い阿部先輩に、何か勘繰られないか怖かったけど、彼は私に特に何を言うでもなく
ただ、時間だけは過ぎて行った。
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あ 「はぁ。今日はすっごく楽しかったな〜…」
阿 「うん。すっごく楽しかったね？」
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そろそろ帰ろっか。なんて、阿部先輩。
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すっかり陽の落ちた空の元を歩きながら、
そう呟くと、阿部先輩が私の腕を不意に掴んだ。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2021年8月16日 10時
