＊56 F.Side ページ21
.
Aちゃんに出逢って俺は変わった。
女の子を軽い目で見てた俺が、
.
『Aちゃん、』
.
いつしか化学室に行くことが、授業中先生の目を盗んでLINEを交わすことが一日の楽しみになってて、
Aちゃんの笑った笑顔に、
飾らない人柄に、惚れてた…
.
"深澤先輩"って俺を呼ぶその優しい声も、
一途に阿部ちゃんを想うひたむきな姿にも、知らぬ間に心奪われてたんだ。
皮肉だよね、好きな人が居る子のことを好きになっちゃうんだなんて…
.
それも大切なクラスメイト。仲間。阿部ちゃんだし。さ…
.
深 「…なんで泣きそうな顔、してたの、」
.
化学室を出て行く前の
潤んだ彼女の瞳が頭から離れない。
.
Aちゃんが好きなのは阿部ちゃんなのに、あんな表情されちゃったら俺、勘違いしちゃうって…
もうこれ以上、Aちゃんのことをただの後輩として見るなんて出来ないから…だから…忘れる為に強い男を頑張って演じたのに。
.
もう会うのはやめようなんて、
.
ほんとは、毎日でも会いたくて会いたくてしょうがない。手放したくなんてない。
けど、Aちゃんの幸せが俺にとっての一番のしあわせだから
最後くらい先輩としてかっこつけさせて？
.
深 「…阿部ちゃんに気持ち届くといーね、」
.
やらせないこの気持ちが彼女に届くことはもうない…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1921人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろーばー。
| 作成日時：2021年8月16日 10時
