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俺のせい、だと言ったAの言葉をふと思い出した。
モテる男は罪、と言った大野の言葉とリンクさせてやっと分かった。
「…はあ、全部俺のせいかよ」
大野に言われてまた気付かされたことに多少の不満を持ち合わせたけれど、裏には感謝を抱いていた。
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「一服付き合って」
大野がいる確率が少ない時間帯を避けて、Aに声を掛け、「いいよ」という返事を確認してから先にデスクフロアを出た。
その途中だった。
「あの、櫻井さん」
この前の飲み会に俺を誘った女に声を掛けられた。
「なに？」
「ちょっとお話いいですか？」
良くない、そう言いたいところだが
「いいけど」
「ありがとうございます」
会社では口の悪さを隠しているせいもあり、断るのを渋ってしまった。
さっさと用を済ませて喫煙所に行こうと決めて、彼女の後に続いて資料室に入った。
「なに？どうしたの？」
バタン、と閉まったドアの音と同時に早めに切り上げたい思いが走り、俺からそう切り出すと
「櫻井さんって付き合ってる人いるんですか？」
仕事中に私情を挟まれて困った。
大体検討はついていた質問。
いつもなら“いない”と即答できるが、アイツとの関係をバラしていいのか頭を悩まし、どう切り返すか迷っていたら
「武藤さんと付き合ってるのって本当は櫻井さんですよね？」
彼女の言葉が食いつく様に俺を襲った。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年2月25日 15時
