185:極端な思考回路 ページ25
.
「櫻井こそ、何で相葉くんに私とご飯行くって言ったのよ」
右に視線を向ける。横顔は端正で、何度も見たその顔にさえ、未だにドキドキしてしまうほど。感傷的になった今は尚更だ。
美形だとは出会った当初から思っていたけれど、別にタイプじゃなかったその顔が、今じゃ世界で一番好きな顔になっていた。
「もう二宮にバレてんなら、相葉にだってそのうちバレる。つーか俺、もう隠せねぇかも」
「はっ？どうするのよ！」
「もしアイツらが上司に報告したとしても俺が何とかするから」
「何とかって何！？」
確かな策もなく、無責任な発言をする櫻井に堪らず詰め寄る。
実際すでに、私たちの関係は二宮くんにバレてしまっている。
二宮くんは言わない、と言っていたけど、その言葉が本当なのかは信じられない。二宮くんを信じていないわけじゃないけど、可能性はゼロじゃない。
相葉くんにバレてしまった方が多分まずい。
相葉くんも二宮くんと同じように黙っていてくれる気がするけど、相葉くんにはうっかり口を滑らせてしまいそうな危うさがある。
「そもそも営業部じゃ、新入社員以外はみんな俺たちの関係がまだ続いてること何となく気付いてるだろうし、最初から社内恋愛禁止の規則守れっていうの無理があんだよ」
「だからって…」
「お前は気付いてないだろうけど、川崎さんは一課の係長と付き合ってる」
「えっ、そうなの！？」
唐突に櫻井の口から投げ出された情報に驚いた。
川崎さん、というのは私たちと同じ二課の一つ下の女の子。
まさか川崎さんが一課の係長と付き合っているなんて思いもしなかった。そんな素振り、一切感じたことがなかったから。
「ああ、規則出来る前からな。意外と俺らと大野以外にも社内恋愛してるやつ多いんだよ」
「全然知らなかった」
「お前鈍いからな。まあアイツらは規則出来る前から隠してたみたいだけど」
「そうなんだ…」
「隠す方が色々無難だし。俺も出来れば隠したかったけど、あんときは隠してもメリットなかったしな」
櫻井が盛大に私のことを彼女宣言した日のことを思い出した。
櫻井って思考回路が極端すぎる。でも私のことをちゃんと考えてくれた上での言動だった。
小さな嫉妬をした私に、会社ではプライベートは一切明かさない主義の櫻井があんな風な言動を取ったこと。
改めて考えてみても、やっぱり衝撃的だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2381人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
妃紀(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます♪おそらく櫻井は好き過ぎて堪らない彼女に指一本触れさせたくないと思ってると思います(笑)6章も読んでくださると嬉しいですー！ (2019年10月22日 22時) (
レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - キスとハグだけ？私も翔さんと一緒で〜許せないかも(￣▽￣;)触られるだけでやっぱり嫌だ！私の愛も翔さん並に重いのかも(笑) (2019年10月19日 19時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - 結城さん» やっと！仲直りしてくれました〜！本当にすれ違いが酷くて、ここまで辿り着くのに時間がかかりましたね(笑)今後も楽しんで頂けるように頑張ります(*´ω｀) (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん！お久しぶりです！コメントありがとうございます♪やっと仲直りしてくれましたよ〜！イチャコラして欲しいですね(´艸｀*) 二宮くんの気持ちを考えると切ないですが、きっと誰か素敵な人が現れるはずです…！更新頑張りますね♪ (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 仲直りきたー！ありがとうございます(;_;)この瞬間を待ってました(〃ω〃) (2019年5月21日 8時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2019年2月11日 21時
