187:釣り合う彼女 ページ27
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靴を脱いで部屋に上がる。
廊下を抜けて、リビングへと向かい、テレビの前にある二人掛けのソファに腰を下ろした。
私の後に続いて来た櫻井も、私と同じように空いているソファに身を預けた。
スーツのジャケットを脱いで、邪魔くさそうにネクタイを緩める櫻井を横目に見つつ、私も着ていたジャケットを脱いで、肘掛けに置いた。
「俺がAを避けてた理由、改めてちゃんと聞いてくれる？」
落ち着いた声のトーンで、静かにそう口を開けた櫻井に、「うん」と小さく頷く。
「単刀直入に言えば、ありのままの俺を見せて、お前に嫌われるのが怖かった」
「…どういうこと？」
「嫉妬ばっかして、日に日に束縛激しくなっていく自分がかっこ悪すぎて。そんな自分を受け入れるのも嫌になってたから、わざとお前を避けてた」
自分の気持ちが私に伝わるように、櫻井は一言一句、丁寧に言葉を紡いでいた。
「俺さ、恋愛にも合理性を求めてたから、好き過ぎて周りが見えなくなるような盲目的になること自体初めてだったし、嫉妬も束縛も今までこんなにバカみたいにしたことなかった」
「…うん」
「俺、自信がないんだよ。ずっとお前に好かれる自信のなさから、気付けば嫉妬も束縛も激しくなってた」
「自信なんて私もないよ」
今でも櫻井の“彼女”として隣にいれることが奇跡だと思う。
何でもそつなくこなす櫻井と釣り合わないことぐらい前から分かっていた。
だから、いつかこんな私への気持ちが冷めてしまう日が来ることへの不安を感じていた。
「嫌われちゃうんじゃないかって、いつも不安だし。でもその割に素直になれなくて、いつも意地張っちゃうし、可愛げのない自分が嫌だ」
ずっと胸の中に堪っていたわだかまりを、全部隠すことなく素直に吐き出した。
「もっと素直になれたら、もっと可愛い彼女になれたら…って。翔に釣り合う彼女になりたい」
全部曝け出すから、あなたに不安を全部掻き消して欲しい。
面倒臭い女でも、可愛くない彼女でも、どんな私でも受け入れてくれると信じて本音を曝け出した。
少しだけ怖い。あなたに嫌われるのが一番怖いから。
好きで居て欲しいなんて贅沢言わない。嫌われる方が嫌だから。
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妃紀(プロフ) - ともさん» コメントありがとうございます♪おそらく櫻井は好き過ぎて堪らない彼女に指一本触れさせたくないと思ってると思います(笑)6章も読んでくださると嬉しいですー！ (2019年10月22日 22時) (
レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - キスとハグだけ？私も翔さんと一緒で〜許せないかも(￣▽￣;)触られるだけでやっぱり嫌だ！私の愛も翔さん並に重いのかも(笑) (2019年10月19日 19時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - 結城さん» やっと！仲直りしてくれました〜！本当にすれ違いが酷くて、ここまで辿り着くのに時間がかかりましたね(笑)今後も楽しんで頂けるように頑張ります(*´ω｀) (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
妃紀(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん！お久しぶりです！コメントありがとうございます♪やっと仲直りしてくれましたよ〜！イチャコラして欲しいですね(´艸｀*) 二宮くんの気持ちを考えると切ないですが、きっと誰か素敵な人が現れるはずです…！更新頑張りますね♪ (2019年6月23日 23時) (レス) id: ad41dd4440 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 仲直りきたー！ありがとうございます(;_;)この瞬間を待ってました(〃ω〃) (2019年5月21日 8時) (レス) id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年2月11日 21時
