◆151:子犬系彼女 ページ31
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飲み会が嫌いなわけではない。ただ、自分に被るデメリットの比率が高い。
加えてこの女が隣にいるのが面倒なだけだ。
結果、メリットが少ない飲み会は楽しくない。
仕事だと割り切れないほどの心地悪さを感じてはとにかく酒が進む。
「ねえ櫻井さん！Aさんってウサギかハムスターかで言えばどっちだと思いますか？」
ほろ酔いを過ぎたあたりから、相葉の酒癖の悪さが垣間見えて来た。
ふにゃふにゃと顔を緩めて、酔っ払いのノリ。いつもの明るさに更に陽気さが加えられたこいつは心底面倒臭い。
つーか、…は？何だよそのバカな質問。ウサギかハムスター？
何でこの場にいないAの話をすんだよ。
相葉ってAのこと気に入ってるよなぁ…Aも相葉のことよく思ってる感じなこと前に言ってたし。
かっこいいって、…思い出すだけでクソ腹立つ。こういう男がタイプだったりすんのかな？
元々俺と付き合う前は大野のことが好きだったし、男の趣味悪くね？
俺が女でも、相葉も大野も論外。松本だったらギリアリかも。普通にちゃんとしてる感じするし。
「雅紀、またその話すんの？お前瀬川さんこと好きだなぁ(笑)」
「だってやっぱりハムスターだって思うんだよね俺。で、櫻井さんはどう思いますか？」
「それ答える必要ある？」
「んもー、櫻井さん固いっすね。どっちかというと！そういう話ですから！普通に軽い気持ちで答えてくださいよ〜」
むうっと口を尖らせる相葉の隣で「雅紀飲み過ぎじゃない？もう酒やめとけ」って笑う松本。やっぱり松本は常識人だ。
「…子犬」
「え？子犬？」
じーっと俺を見つめて答えを待つ相葉に懲りて質問に答えれば、答えた瞬間に相葉はキョトンと黒目がちな目を丸くした。
しまった…ガチで答える系のやつじゃない。しかも選択肢は二択。
そのどちらかを選択すればいい話だ。なのに何で俺は選択肢にない答えを出してるんだよ。
アホか、あー完璧ミスった。
でもウサギでもハムスターでもない。アイツは子犬。
構いたくなる、可愛がりたくなる、守りたくなる。そういう点が、子犬っぽいと思った。
放っておいたら誰かに拾われて離れて行きそうな。
ちゃんと手の内に収めていないと、すぐに誰かの元に行ってしまいそうだ。
誰からも好かれ、可愛がられるお人好しな子犬。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年9月27日 20時
