148:感情の爆発 ページ28
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いくら謝っても、いくら話を聞いて欲しくても、櫻井は聞く耳を持ってくれないし、もうどうしたらいいのか分からない。
そんなときに二宮くんのことも重なって、頭がいっぱいいっぱい。
これ以上一人で溜め込んだら、頭がパンクしてしまう。
「私のこと嫌いになった？」
だから感情的になってしまう。感情の赴くままに言葉を紡いでいた。
こんなこと、今この場所で訊くのは明らかに場違い。
アルコールのせいで拍車をかけるように、ここ数日の間の不安と不満が爆発した。
「は？いきなり何言ってんだよ」
「いいから答えてよ」
「あのさ、何で今そういう話になるわけ？」
私の突発的な投げ掛けに、櫻井は更に顔を歪ませる。
分かってるよ、櫻井がこういう理にかなっていない発言が嫌いなことくらい。
でもそんなことにまで配慮できない。
「嫌いになったなら嫌いって言ってよ、呆れたなら呆れたって言ってよ」
「だから、」
「怒ってるんでしょ？私がバカだからムカつくんでしょ？ならそう言ってよ。何も言わないまま避けないでよ」
「ああもう…ったくさ、落ち着け。その話はまた今度するから」
「は？今度っていつよ！？いつになったら私の話聞いてくれるの？」
「俺にも俺の事情があんだよ」
「何よそれ、どんな事情？」
「色々だよ」
「色々って何？分かるように私に説明して！」
溜まりに溜まった感情が湧き出てくる。８割方アルコールのせいだ。もうお酒のせいにする。
傍から見れば、我が儘で、自己中で、重たい女。
嫌い？なんて訊く面倒臭い自分にも呆れる。こんな女、絶対嫌いだもん、櫻井。
また空回りだ。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年9月27日 20時
