144:社内恋愛 ページ24
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「瀬川も来いよ」
課長に言われてしぶしぶ足を運ぶことになった飲みの席。
何かと理由を付けて断っていた酒癖の悪い上司が仕切る飲み会だけれども、上司と部下との関係に亀裂が入ってはこの先の会社での立場が悪くなる。
しょうがない、これも仕事の一部だ、と思い参加することになった飲み会は、一課との合同での飲み会だった。だからまあまあ人数が多い。
仕事が片付いたやつから駅前の居酒屋な、という言葉を残して先にデスクフロアから出て行った課長。
櫻井も顔出せよ、と課長に言われて「行きますよ」と一言返事をした櫻井も課長が出て行ったあと少し経ってからフロアを出て行った。
今日は金曜日。櫻井との仲は相変わらず横ばいのままだから、きっと今日もお泊まりはなしだ。
それにタイミングが良いのか悪いのか上司たちと飲み会の予定が入ってたし。
そろそろちゃんと櫻井と話したいな、と思うけど、何かとタイミングを逃してしまっている。
モヤモヤの連鎖が続いたままだ。
社内恋愛はこういうとき面倒臭いと思う。
顔を見たくない、話をしたくないときだって、会社が同じだから当然毎日会うことになる。
また部署が同じだしデスクは向かい合わせだし。
だけど、幸いなのかどうか分からないけど、ずっとデスクワークじゃない職種だからあまり顔を合わせないで済む日もある。
外回りのタイミングが入れ違いだったりで。
「Aさん、終わりました？一緒に行きましょ！」
「あ、うん。行こっか」
ちょうど同じタイミングで仕事を終えた相葉くんと会社を出た。
デスクフロアから出る前、隣のデスクをチラッと見れば、二宮くんの姿が見えなかったから、私たちよりも一足先に社を出ていた様子。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年9月27日 20時
