08:距離感 ページ8
.
会社から歩いて３分。いつもの蕎麦屋に出向いた。
ロビーで待ってる、と言っていたのに櫻井は遅れてやって来たことを思い出し
問いかけてみれば、「コンビニにタバコ買いに行ってた」と言う。
二人掛けのテーブル席に向かい合わせで座り、注文をし終えたとき
櫻井が「お前さ、」と切り出してきた。
「何？」
「二宮と距離近くね？」
「は？」
何を言い出すかと思えば、全く予想もしていなかったことを投げかけられ驚いた。
距離が近い？二宮くんと？
「なんかイラつく」
「何で？」
「はあ？俺にそれ言わせんのかよ」
「てか私は二宮くんの教育係だから一緒にいることが多いと思うけど…」
距離が近いってどういう意味？
仕事を教えることに対して距離が近いのは仕方ないことだと思うけど
それなら櫻井だって相葉くんとの距離が近いと思う。
櫻井だってそうじゃん？と言えば、「俺は男だろ？」と返された。
「なんかよく分かんないけど、二宮くんはいい子だよ」
「は？」
「仕事の覚えが早いし、愛想がいいし」
「…ふーん」
「相葉くんも優秀じゃない？」
「あいつは愛想はいいけど仕事の覚えは悪い」
櫻井が教育係になっているのは相葉雅紀くん。
元気で明るく、笑顔が素敵な印象。
背も高くてモテそうな雰囲気が漂っているなってぼんやりとそんなことを櫻井に言ったら
『殺すぞ』と割と本気でキレられたことをふいに思い出した。
いや、櫻井ほどじゃないよ？というフォローは見事に受け流された。
というか櫻井がキレる理由がよく分からない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃紀
| 作成日時：2018年3月15日 19時
