02:意外性の一致 ページ2
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「はあ…疲れた」
そして新入社員が入社して二か月弱。
やっと一通りの基本の仕事は教えられた頃。
作業が煮詰まり喫煙所へと向かった。
このところ忙しさに喫煙所に行っていなかったことを思い出す。
ガチャ、とドアを開けて中に入る。喫煙所には誰もいない。
櫻井は外回りでそのまま今日は直帰だって言ってたっけ？
ぼんやりとそんなことを思い出しながら、
タバコの箱から一本抜き取り、それを口に咥えた。
「・・・まずい」
ポケットに手を入れて気付いた。ライターを忘れていたことに。
「あれ、先輩？」
バカだな私…と思いながら咥えていたタバコを手に取ったとき
ガチャっとドアの開く音と共に、少し高めの声がすうっと鼓膜を揺らした。
「あ、二宮くん」
パッと視線を逸らせば、二宮くんの姿。
ポケットからタバコの箱を取り出しながら私の方へと距離を詰めて来た。
「先輩タバコ吸うんすか？」
「うん、まあね」
「すっげぇ意外」
「え？そう？」
「吸いそうな顔してないです」
くふふって可愛らしく笑いながら二宮くんはタバコを口に咥えた。
その姿を見て、「二宮くんだってタバコ吸うなんて意外」と口にすれば
「バリバリ吸いますよ」と言いながらライターで火をつけた。
可愛らしい見た目とは裏腹だな、と思いながらフーと白い煙を吐き出す二宮くんを見ていれば
チラッと目が合って不思議そうな顔をされた。
「あ、ごめん」
咄嗟に何に対して謝ったのか分からないけど口から出た言葉に
「先輩もしかしてライター忘れたとか？」と少しからかい口調で二宮くんが笑いながら言った。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年3月15日 19時
