激怒 ページ22
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髪色は好評で染めてくれたひーちゃんも誇らしげで、自然に笑顔が零れた
この日はひーちゃんのバイトも休みで放課後の勉強に付き合ってくれて、帰りにパンケーキ食べに行こって約束をして
だから私も昨日より集中して頑張って早く終わらせた
阿部ちゃんにも凄いじゃんって褒められたくらい
「Aはやればできる子タイプだね」
『でしょ〜小学生の頃とかは100点しか取ってなかったもん』
「それは盛り過ぎ」
離れないようにギュッと手を繋いでケラケラ笑いながら歩く
「あ、それが噂のひーちゃん?」
「 … 誰?」
『 … 殺すって言ったよね』
「出来もしないのに殺すなんて言っちゃって、本当可哀想だねAは … そう思わない?ひーちゃん」
繋いだ手は痛いくらい握られていて
ひーちゃんが怒ってることなんてすぐ分かった
「お前がAを苦しめてる原因?」
『ひーちゃん、良いから行こ』
「苦しめてるのは君なんじゃない?」
ひーちゃんの表情がどんどん曇っていく
もうやめて
私達を壊そうとしないで
「それ、どういうことだよ」
私の手を振り解いて、ひーちゃんの手は辰哉くんの胸倉を掴んだ
「Aは幸せを怖がるんだよ、君がいる所為でAがおかしくなってんの分かんない?」
『辰哉くんもうやめて』
「Aは痛いくらいが好きなんだもんなあ」
『お願い、もうやめて』
辰哉くんにお願いするなんてはじめてだ
ひーちゃんは怒りに満ちている
「俺はAと離れて生きていく気はない」
「だからお前に何を言われようが全然響かねえんだよ … ッ!」
ひーちゃんは思いっきり辰哉くんを殴って手を離した
「A、帰ろ」
「ぃッ … てえ」
辰哉くんは口の端が切れて痛々しく血が流れてる
自業自得だ、もうこれ以上私達に近付かないで
私はひーちゃんの傍にいられるなら幸せでも不幸でもなんでも嬉しいの
「 … ほんと、可哀想な奴ら」
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作者名:紅 | 作成日時:2021年5月16日 2時