私の天使君 (ページ20)

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翼ページ20

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｢はい、出来た｣

『痛くてハゲるかと思った』

ブリーチを３回もして一度も染めたことなかった髪をこれでもかってくらい傷まさせた

ひーちゃん、慣れた手つきでカラー剤を塗ったりするから美容師さんにでもなりたいのかな

｢ … 本物の天使みたい｣

『え？』

｢屋上で会った日さ、逆光の所為でAが一瞬悪魔に見えた｣

｢けど、やっぱりAは天使だった｣

骨が軋みそうになるくらい強く抱き締められる
私が天使な訳ないよ

こんな傷だらけで汚いんだから

｢なあ、A｣

｢１人で飛んで行かないでね｣

私は１人で飛んで行けるような翼を持ってないよ

知ってるでしょ？

『私は天使君から離れないよ』

｢久しぶりに聞いたかも、天使君｣

『世界で１人だけの、私だけの天使君』

ひーちゃんと２人だけの空間はまるでアダムとイヴがいたエデンの園
どんな所かはあんまり分からないけど、幸せな場所なんだよね？

ずっとここに居られたら幸せしか知らない生活を送れるのに

でも私にだけ都合の良い夢はすぐに覚めてしまう