私の天使君 (ページ17)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:70,182 hit

罰ページ17

_

｢ごめん、今日バイトだから先帰るわ｣

『うん、大丈夫だよ～頑張ってね』

｢頑張りなね｣

そう言って私のおでこにキスをしてくれる

これは頑張れのおまじない？全部終わったらご褒美として唇にキスをしてくれるんだよね？

ひーちゃんといられないのは寂しいけど自分の所為だから何とも言えない

｢はい、じゃあ始めるよ｣

『はあい』

教科書なんて開くのいつぶりだろ

１年の終わり頃からほぼずっと辰哉くんの所にいたから、ちゃんと勉強するのは久しぶりで

あれから辰哉くんからの連絡はなくなった
やっと理解したかあの男

｢じゃあ、ここは分かる？｣

『 … 何これ？』

｢はあ、… 瑠璃川さん学校って何するところか知ってる？｣

『私はひーちゃんといる為に来てるもん』

｢嗚呼そうでした｣

阿部ちゃんから聞いたくせに超興味無さそうにペン回しをしてる

つまんないなあ、ひーちゃんに会いたい

｢ … 瑠璃川さんもう危ないことしてない？｣

『危ないことなんて元々してないもん』

きっと阿部ちゃんは全部知ってる

生徒の噂話で嫌でも耳に入ると思うし、それにあの頃の私は今より酷かったから

『阿部ちゃん、アダムとイヴってさ最終的にどうなったの？』

｢突然創世記？｣

『私好きなの、そういう話』

専門外だよ～と困りながらも流石先生だ、きちんと私に分かりやすいように説明してくれた

アダムとイヴは食べてはいけないと言われていた実を食べた罰としてエデンの園から追放され各々に罰を与えたらしい

そして何よりの罰は＇いつか必ず死ななくてはならない＇ということだった

『死ぬことが罰だなんて神様も意地悪じゃない？』

｢でも神は実を食べた所為で羞恥心を感じた２人に皮の服をプレゼントしたんだよ、愛してなかったらそんなこときっとしない｣

『ふ～ん … 』

愛していたなら目を離さずに傍においたら良かったのに

神様も馬鹿だね、そんな簡単なことに気付かないなんて

｢はい、じゃあ再開するよ～｣

『帰りたい』

｢駄目｣