私の天使君 (ページ14)

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涙 side I ページ14

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｢え？A … ？｣

家に帰るとドアの前で天使が蹲ってた

薄い白いTシャツにスウェット生地のショートパンツ
またそんな格好で外に出たの？駄目じゃん

しかももう夜中の１時

何かあった？どうしたの？ … そう口を開く前に天使が俺を見て話し始めた

『ひーちゃん、 … 私ひーちゃんがいないと上手く歩けないの』

『ひーちゃんは私の天使で、いつも私の歩く道を導いてくれる』

『だから、ひーちゃんから離れると居場所を探してフラフラしちゃう』

『ねえ、私の天使君』

『私を離さないで … ？』

はじめて天使の涙を見た
ダイヤモンドよりも、何よりも綺麗で

涙を拭うようにAの顔に両手を添えると驚く程冷えていて本当に天使になってしまったのではないかと怖くなった

何がそんなにAを苦しめるの？

俺がそれから守ってあげるよ、だから苦しまないで

… 周りに傷付くものがあるからそんなに痛々しくなるんだよ
俺だけでいいじゃん、俺が死ぬまでAの傍にいるよ

なんて歪なことばかり考えてしまう

Aのお気に入りの入浴剤を入れ２人で入るには窮屈な湯船に浸かる

｢なあ、A｣

『ん？』

｢この世に俺ら２人だけだったらいいのにな｣

『 …そうだね』

俺ら２人だけだったら傷付くこともないのに

でも、Aになら傷付けられてもいいか