同じ地獄の中で (ページ34)

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天罰ページ34

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次の日、いつものように照と登校した

１週間の身だしなみチェックはもう飽きたし正直しなくていいと思ってた

『あれ、先生たち立ってない』

｢… そうだな｣

先生たちのうるさい声の代わりに生徒たちの噂話の声が耳に入る

＇阿部ちゃん辞めたんだって＇

＇辞めたんじゃなくて飛ばされたらしいよ＇

＇うちの学校で唯一のイケメン先生だったのに～＇

＇生徒に手出てたんでしょ？＇

＇まじ？やばいね＇

突然の出来事だった

あの悪魔のような大人が天罰を受け、そして私の前から姿を消した

｢これでもう会わなくて済むな｣

照は安心しきった顔で私の顔の痣を撫でる
あ … 照がチクったんだ

なんとなくそう感じた

『… そうだね』

｢寂しい？｣

『ううん、寂しくないよ』

全く寂しくないかと言われたら嘘になるけど
これはきっと天罰なんだと受け入れることができた

…

…

…

｢A、帰ろっか｣

『部活は？』

｢休んだ｣

先生が目の前から消えたというのに、照はなんでこんなにも不安が溢れているんだろう

｢甘いもの食べに行こっか｣

『駅前のケーキ屋さん行きたい』

｢ん、いいよ｣

優しく手を繋いで歩く

私に歩幅を合わせてくれて、自然に車道側を歩いてくれる

１０センチ以上も違う身長で、照を見上げると＇ん？＇とふにゃふにゃの笑顔を見せてくれる

照は不安と幸せの狭間にいるんだ

安心させてあげたいけど私にそんな器量はない