同じ地獄の中で (ページ23)

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理由ページ23

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『照、手離して』

｢やだ、離さない｣

『離してくれないと話せない』

｢関係ないだろ｣

頑なに手を離してくれない
もう逃げないのに

私は片手でシャツのボタンを１つずつ外していく

その行動に照は動揺したのか手首を掴む力が少し弱まった

｢おま、何して｣

『見て、これ』

ボタンを全て外し、インナーを捲り上げる

｢… 何これ｣

完全に照の手が解けた
露わになった無数の痣に驚きを隠せきれないみたい

『これね、パパにされてるの』

照は何も言葉を発しなくなった

ここまできたらもう１から１００まで全て話してしまおう、そう思った

『小さい頃に親が離婚してパパに引き取られて中２辺りから暴力を受けるようになったの、それが今も続いてる』

『それから、さっき学校にいたのは物理の阿部先生とセックスしてたから』

そう言った次の瞬間、頬に強い痛みが走った

嗚呼、照は光なんかじゃなかったんだね
私と同じ、地獄の中にいるんだね

怒りで顔を赤くして私の胸ぐらを掴み何度も頬を殴った

痛い、けど照はそれ以上に痛いんだろうね

｢お前、なんなの…？｣

なんなのって言われても照が全部話せって言ったんじゃん

だから全部話した、それだけのこと

｢好きだったのは俺だけ？｣

『ううん、私も照が好きだよ』

｢じゃあ、なんで｣

『照は何もくれないじゃん』

照の涙が私の頬にポタッと零れた

泣かないでって頬に手を伸ばすこともきっと今は許されない