血 ページ6
.
視線を逸らさない荼毘。
否定してくれないならもう、肯定だ。
『ねぇ何で、どうして敵なんかになったの』
「お前が知ってどうすんだよ」
『あんたが燈矢って気づいて、誰にも言えなかった。ずっと一人でどうしてって考え込んでた』
「そんなに気になる？あぁ、もしかしてホークスじゃなくて俺のこと好きになった？」
ニヤリと笑う冷めた表情。
こんな冗談に付き合えるほど今は暇じゃない。
『聞いたよ、エンデヴァーから』
「………」
『すごく辛そうに話してくれた。ねぇ、家族みんなあんたのことずっと待、ぁぐッ』
次の瞬間首と背中、そして容赦なく床に打ち付けられた後頭部に衝撃が走る。
のしかかる体重。力の込められた首を絞める手。
チカチカと斑点が散らばる世界に私を見下ろす浅葱色。
「辛そうに？それはどっちだって話だよ」
「そりゃ親しい奴から聞くストーリーがあたかも真実で正論に聞こえちまうもんなぁ」
「何も知らねぇ奴が他所の家庭事情に首突っ込むな」
苦しい。酸素が十分に取り込めない。頭が痛い。
それでも抵抗することなく、荼毘の頬に手を添えた。
『だから荼毘……燈矢の話が聞きたい』
霞む視界の中真っ直ぐ見上げる。
荼毘がどんな顔してるかは、溢れてきた涙でもう滲んで見えない。
「………偽善者気取りかよ、うぜぇな」
「ほんと、お前らがうざかった」
「血なんて繋がってねぇくせに、偽物の家族のくせに」
「あいつに酷く突き放されても、あいつが人を殺したと知ってもお前はホークスホークスって」
「いいよなぁあいつは、何したってこうやって捨てずに愛してくれる家族がいるんだから」
ぽたりと、生温かい何かが落ちて頬を伝った。
目を凝らすと荼毘の目元からほんの少し血が溢れていて
うらやましい
勘違いかもしれないけど、そう言ってるように見えた。
あぁやっぱり
この人にも、辛い過去があった
でもそれを知るのも、向き合ってあげれるのも
他所の私には無理なんだ
荼毘のこと捕まえなきゃいけないのにさ
私、家族のことには滅法弱いんだもん
焼ける喉
自分の個性が弱まっていく
私、今度こそ死ぬのかな
視界は暗くなっていき
溢れて伝い落ちた涙が蒼炎に焼かれる音を耳元で聞きながら、意識を手放した。
最後に拭った荼毘の血
もしかして、こいつの涙だったりして
.
終わり
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zi - 完結なんですか、これ、もし途中なら続き待ってます (3月1日 23時) (
レス) @page6 id: 5d1b23d355 (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - あさん» ありがとうございますぅう😭❣️全然更新できてなくてすみません！！頑張りますもう少し待っててください！🥺 (2月11日 0時) (レス) id: 25a11890bc (このIDを非表示/違反報告)
あ - 感動ものできゅんきゅんしました！！！いくらでも待つので更新待ってます！！！！ (2月5日 21時) (レス) id: adf9d2c764 (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - hinaさん» うわぁああめっちゃ嬉しいです一気見ありがとうございます😭すみません長い間更新できておらずで頑張ります🥺🙏 (10月25日 12時) (レス) id: 25a11890bc (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - ハマりすぎて一気見した･･･。神作品ですね。👍 (9月29日 0時) (レス) id: 9425f0e88a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana＊
| 作成日時：2023年7月11日 21時
