内緒で紅一点してます 2

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貴方side





掴まれた腕は強く、振りほどくことも
“何も無いよ”って笑い飛ばす事も出来なかった






渡「何言ってんの、照」


岩「俺は、Aに聞いてる」


渡「は？」






間を割って入ってくれた翔太くんは照くんの腕を掴むけど、決して私の腕を離そうとしない





翔太くんと照くんの雰囲気は悪くなるばかりだった







ラ「…どうしたの？」


目「岩本くん？」


向「何があったん？」


佐「分かんない。」


宮「…翔太？？」







次々とシャワーを終えたメンバーが楽屋に戻って来て
私たちを見て全員心配そうな顔をしている







深「ちょちょちょ、どうしたの！」


阿「照？！」





最後に入ってきた阿部ちゃんとふっかさんによって
翔太くんと照くんは離された






渡「照、Aの腕離せよ」


岩「A、俺らに隠してる事あるよね？」






掴まれた腕が少しだけ強くなり、痛みで顔が歪む







深「ちょ、照。腕離して」


岩「A」


『…ないよ、何も無いっ』







下を向き恐怖で絞り出した声は震えていて
照くんの顔を見ることが出来なかった







岩「…そっか、ごめん」


『ううん、大丈夫。』







あっさりと離された腕は少しだけ赤くなっていて
照くんと私が離れると翔太くんは私の腕を掴んで楽屋を出た








扉の閉まる音、最後に見えた照くんの顔は
“後悔”している顔だった









渡「…んだよ、照の奴」


『ごめんね、翔太くん』


渡「いーの、俺が守るって決めたから」







翔太くんは後頭部をわしゃわしゃと掻きながら
大きなため息とともに椅子に腰を下ろした







渡「バレんのも時間の問題だな」


『だよね、』







下を向く私に翔太くんは背中を叩いた







『いっ、た！！！』


渡「…おい、頑張れ。雪村」








照くんにあんな顔をさせてしまった後悔と
“何も無い”って嘘をついてしまった後悔








渡「今更戻れねぇって、やれるだけやってみよう」


『うん、ありがとう』









照くんになんて顔して会えばいいのか分からない

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