美しい旅人【ONE PIECE】 (ページ29)

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27話　先ほどの砂の男ページ29

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声をかけてきた男は
淡い紫みのあるカラーサングラスを掛けている

足元には黒革のスクエアトゥー
アイボリーに薄く紫を混ぜたクラヴァットと
黒地に灰縞のシックなスーツに身を包み、
黒い上質なマントの首元には黒く烟るファーが。

右の手先には美しい宝石の金指輪、
左には黄金の鉤爪らしきものがちらつく

　

暗く光る目を流し、
女の腰を自らの方へ寄せる男

『..！！！(店のオーナーさん、？)』

街の人々が見守る中、
その男は言う

　

「1人の女に群がってんじゃねぇよ」

「客が入れねぇだろうが、退け」

何処か渋さと色気を感じる
バリトンボイスからは
威圧感を感じる

「「「..！！！！」」」

「..け、けっ！誰がそんな女に」
「群がってねえし！」
「ひ、ヒーロー気取りかよ」

男達はまるで消え去るかの如く
焦ったように走り去っていく

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『あ、ありがとうございます、』
『すみません、お店のお邪魔してしまって..』

『何かお礼を..』

「...必要ねぇ、俺は店の邪魔を取っ払っただけだ」

そう言う男に、

『(感謝してるのに、、、)』

と少し捲れた顔をする女

そんな様子を見て
男はフッと笑って言う

「若い女が気にするこたぁねえんだよ」

『わ、若くないわよ！！』

もう28よ！？30近いわよ！

その剣幕に男は驚く

「...ぁ？どうでもいいだろそこは」

『良くないわ！もう30手前なの！
　若い女じゃないからお礼くらい気にするわ！』

若い女は気にする必要無い、でも
若くないなら気にするでしょう？
きゃぴきゃぴできる時期なんて
とうの昔に過ぎ去って行ったわよ、、

男は特段変わらない表情で話す

「俺より若いじゃねぇか」

『あら、何歳なんです、？』

「44だ」

『程よくダンディな年齢じゃないですか』

「..ほぉ、俺が良い男だって？」

『？えぇ、そう見えるけど』

結構好みな方なのよね、話し方も理性的で
知的で大人の魅力がある感じの

「..お前名前は？」

『エリスティア・Aよ』

「カジノやれるクチか？」

話し込んでいく男と女

「ここ最近隣国の旗色が悪いようだな、
　特にボイズ国は民衆が..

『そういえば新聞に載ってたわね、
　行ったことあるけどあれは...

旧知の仲なのではと思わせるくらいの
会話の相性

互いが居心地の良さを感じていた

...ﾌﾜｯ

『...！！』

『ごめんなさい、そろそろ行かなきゃ』

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