美しい旅人【ONE PIECE】 (ページ3)

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2話　美ページ3

その女。
マントにしまわれる豊かなブラウンの髪、
つややかで真っ白な肌に
桃色の頬をし、
瞳に翳るほどのまつ毛の下に
淡い海に空が反射したような
美しい翡翠の瞳を持っている。

唇は滑らかなローズピンク色。

カウンターに座っていたからこそ周りの客すら
気づいていなかったが、

この女、絶世の美女であった。

「サカズキ、ぼーっとしてんじゃないよ」
「A、また会おうね」

女に微笑みながら男をつつき、
おつるは会計し始める

突っ立っている男、サカズキは少し間をあけ、

「われ、名前はなんじゃ」

びっくりしつつも女は名乗る

『エレスティア・Aです』
？どうして名前など..
何かしてしまったかしら？

少しはにかみながらも目を合わせる

男は大変驚いていた
少し離れた島で海賊討伐の仕事をこなし、
元帥に終了を報告すると
近くの春島にランチに行ったおつるが
中々帰ってこないから連れて帰ってこい、
と言うのだ

おつるという人が業務を忘れているはずもない。
少し心配してお願いしてきた元帥の言葉を聞き、
任務終わりに春島に到着した

たまにおつるが昼ごはんを食べに行くと聞く
賑やかな街にあるカフェ

ﾁﾘﾝ..
とドアベルを鳴らしながら入り、おつるを見つけると
その横に座る女と目が合った

男は女にうつつを抜かす方ではないが、
かれこれ長く生き、様々な女を見てきた

ただ、これほどに美しい女は、見たことがなかった

『あの。大丈夫ですか？』

男があまりに呆然とするので、
女は心配になり声をかけた

「、、あぁ」

そう言うと男はポケットから紙を出す

「、、わしの連絡先じゃ、なんか合ったら連絡せぇ」

『、、えっ？』

おつるとの少しの対話を見るに、
初対面同士だった様子
加えて女は黒いマントと、
街の人間がするような服装ではない
だからといって海賊にも見えない

「女1人、旅でもしてるんじゃろ」

「ええから受けとっとれ」

女は困惑しつつも受け取り、バックにしまう
男はそれを見届けるとおつるに声をかけ、
おつると去っていく

Aは呆然としながら、受け取った2人の連絡先
眺め、これも何かの縁だとにっこり笑った。
そして店の主人に会計をお願いし、
自分の船へと戻っていった

『次はイーストブルーに行きたいなぁ』

......