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昨日降った雨のせいで、足元が悪い
公園の入り口のポールに腰掛け、待ち人の到着を待つ。
ん「遅くなってごめんね」
「んーん。ごめんね、急に呼び出して。部活お疲れ様」
ンダホに缶ジュースを差し出す。
すぐに開けて喉を鳴らしながら飲み込んでいく。
ん「ふ〜。今日もっきゅんいないの?」
「今日はバイトだよー。コイバナの日ってさっきメールしといたよ。」
あー。とンダホも隣のポールに腰掛ける。
いつもこの公園でコイバナしてたから、
居場所と相手がいっぺんに分かるこれ以上ないくらい簡単なメールだ。
ン「それで、昨日はどうしたの?マサイは普通な感じだったけど。何でそんな腫れた目してるの?」
「失恋?」とンダホが首をかしげる。
「そんな感じ。昨日ね、
マサイが女の子と相合傘してるとこ、見ちゃった」
ん「まだ彼女かわかんないんでしょ?失恋とまではいかなくない?俺も傘忘れて友達と一緒に入ることあるよ?」
男子校だけど。と悲しそうに付け足すンダホ。
「前にね、シルクとモトキに言われてたんだ。
告白は必ずしもハッピーエンドに繋がるわけじゃないって
…わたしは、その意味をわかっているようで
深く考えてはなかった」
当たり前に実るものだと思っていた。
他の人を選ぶ可能性なんて全く考えてなかった。
恋心に浮かれて告白の先を考えたことがなかった。
告白して振られたら
付き合えても別れてしまったら
シルクと元カノの事を思い浮かべる。
2人が別れた後、彼女はわたし達の側から離れていった。
付き合う前の関係には戻れなかった。
わたしとマサイがその状態になった時、
きっとマサイはわたし達の側から離れていくだろう。
小さい時からずっと一緒にいた。
当たり前の存在。
マサイの側に居られなくなる事は
わたしには、耐えられない。
わたしの弱さを知ってる2人は
それを危惧していたのだろう。
これからもマサイのそばにいる為に
マサイを諦めないといけない
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月4日 23時