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朝6時、いつも通りの時間に
目覚まし時計がなる。
昨日はお風呂の後、そのまま
眠ってしまった様だ。
携帯も鞄も手元にない。
軽く腕を伸ばしながら見回すと
部屋にはいつも通りハンガーに掛けられた制服がある。
のそのそとベッドから降り、支度を始める。
リズミカルなノックが聞こえたと同時に扉が開き、
能天気な顔の従兄弟がおはよーと言ってくる。
寝起きの女の部屋に堂々と入る従兄弟に溜息を吐く。
「心優しい妹もそろそろ反抗期を迎えるよ」
精一杯怒った顔を作ると、しょぼんとする顔が面白くて笑えてしまう。
モ「目、結構腫れたな。休むか?」
そういえば確かに目が重いなと
手鏡で見てみると…
「ガチャピン…だね」
泣いた後に保湿しないで寝たせいだろう。
慌てて脱衣所に走る。
モ「今日は2人で休んで、カラオケでも行くか??」
おどけた感じで誘ってくる従兄弟
歌えば確かに気が晴れる気もするけど…。
「いやいや、今年も皆勤賞は貰うから。」
わたしには皆勤賞がかかってる。
今年も賞状と文具セットを貰うため、
休むわけにはいかない。
偉いなぁーと従兄弟は頭をぽんぽんしてくる。
モ「でも高校にも皆勤賞ってあるの?中学はあったけどさ」
え、ないの?
生徒手帳確認しないと。
モ「あ、学校行くなら蒸しタオル作っとくよー」
「ありがとー」と言いながらリビングに鞄を
取りに行く。
鞄の中にある手紙を見て、一瞬気持ちが跳ねる。
手紙を自分の机の鍵付きの引き出しにしまう。
(いつか笑って話せる日が来ます様に。)
バタバタしてる間に7時を迎えて
更にバタバタと支度をする。
共働きで忙しい従兄弟の父母に変わり
家事は私と従兄弟の仕事だ。
朝ごはんを食べ、お弁当を作り終えると
いつも家を出るギリギリの時間だ。
慌てて2人で家を出ると
階段の下にシルクがいた。
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月4日 23時