検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:41,061 hit

マサイside8 ページ37

反射的に後ずさりしてしまった俺らを見て、
Aはけらけらと笑う。

プライベートで会うのはまずいと、階段の方に行こうとしたら右手首を掴まれ、引きずり込まれる。

「家族が連れてきた友達とたまたま家で会っただけ。ルール違反にはならないよ!」

そんなものなのか?
意識が手首の方に行ってしまい深く考えられない。


俺の手首を掴んだまま、Aはモトキに何か話してる。

そのままモトキは外に出ていってしまう。

(なんで?)

会話を聞きそびれたからこの状態が理解できない。

手首を掴まれたまま
Aの部屋に連行される。

懐かしいシトラスの匂いがする部屋には
段ボールが積まれている。

「だいぶ片付いてきてんなー」
先程知ったばかりの引っ越しの件が頭を過ぎる。

手を離され、いつもの位置に2人で腰掛ける。

「この部屋には思い出がありすぎるよね」

あっけらかんと言ってくるAに
少し嫌味を言いたくなる。

「この部屋に入るのも2年半ぶり位か、すげぇ懐かしく感じるな」

「…今更だけど、急にアイドルになってごめん」

「ほんとだよ」

顔を見合わせて笑い合うと恋しさが渦巻く。

話題を変えようと
フィッシャーズの仲間の恋愛話を勝手に暴露する。

Aはニヤニヤと笑っている。

「マサイは彼女いないの?」

問いかけられ「全然」と答える。

「Aはないの?恋愛関係」

恋愛禁止のグループにいても、気になってしまう。

「女の子しか周りにいないよ?
恋愛禁止はメンバー間にも適用されてるし」

「あ、みんなが集まった時、動画撮って
YouTubeにあげてみてよ。川の時みたいに!
そしたら一緒に楽しめるし!」


「おー。ちょっと次みんなに相談してみるわ。
もし動画あげれたらモトキに連絡するからさ」


俺の返答に待ってるねと言って
Aは俺の後ろ側に移動する。

「サルメット。もっさもさだねー」

昔の様に、俺の髪をぐしゃぐしゃにしていく。

「ちょ、やめろって」

昔の感覚でやってるんだろうけど、今の俺にはキツすぎる。

Aの手首を掴み、
振り向くとすぐ近くにAの顔がある。

どうしようかと戸惑ううちに目が合い、反らせなくなる。

気付いたら、唇が触れていた。

マサイside9→←マサイside7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
設定タグ:マサイ , フィッシャーズ ,   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月4日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。