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マサイside ページ18

マサイside

Aは幼稚園からの幼馴染で
俺にとって特別な女友達だった。

小さい時からお互いの家を行き来していたが、

中学でギターが得意なAに教えてもらって
代わりに俺がパソコンを教える様になってから

親友と呼べるほど仲良くなった。

卒業してからもそれは変わらず
時間を作っては一緒に過ごしていた。

いつもフィッシャーズの集まりを休まないAが
珍しく不参加だった時、
新曲を作るためとモトキに聞いて
俺も呼べよ!と心の中で叫んでしまった。


他の女子とは全然違う、絵文字も顔文字も、
句読点さえない、短いメール。
それさえもAらしくて楽しくて。

たまに出る突飛な発想に驚かされて。

Aといると飽きなくて。


久々にあったAは
何か悩みがあるのか俺に夢について聞いてきた。
まだ明確な将来が見えてない俺は、
出来れば好きなことを仕事にしたい。
そんな当たり障りない答えしか出せなかったけど、
あいつは納得した様にうんうんと頷いていた。

2人で新曲に音を足して、アレンジして、
いつも通りにギターを弾いて。

帰り際、あいつに青いギターを渡された。
お年玉を貯めて買って、あいつが大事に手入れしてきたギター。
なんとなくだけど、断っちゃいけないと思い、受け取った。

「名前を付けて、可愛がってあげてね」
なんて茶化すあいつの頭を軽く叩いた。

「私が男だったら、2人で武道館目指したんだけどね」
ぼそっと呟いた言葉はなんだか震えていて、心細そうだったから思わず茶化してしまう。

ギター2本でか?なんて突っ込んで、笑ったあいつに見送られて家に向かう。

次の約束をしてこなかった事に、
ほんの少しの違和感を感じたけど、
まさかこの日常が突然終わるとは思ってなかった。

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設定タグ:マサイ , フィッシャーズ ,   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月4日 23時

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