シルクロードside ページ15
シルクロードside
Aは俺にとって特別な幼馴染の女の子。
同い年だけど妹のように可愛がっている。
よくバカな子ほど可愛いと言うが、
本当にバカでアホで可愛い。
いつまでも頼ってくれれば守るつもりだった。
甘えられれば甘やかすつもりだった。
何も変わらないまま、
今の日常をずっと過ごしていけると思ってた。
それは他のみんなも変わらない思いだったろう。
あの雨の日。あいつが泣いた日。
あの日がきっと俺らの転換期だったんだろう。
行動が突飛過ぎて予想がつかないあいつだから
なんかバカをしでかすんじゃないかと
心配で眠れず、つい何度か電話してしまったが、
次の日会った時は元気そうだったから油断してた。
あれから2週間程たった休日の朝、
Aから急にメールが届いた。
アイドルのオーディションに合格したよっ。
明日から2ヶ月位レッスンをして
秋葉原にある劇場でステージデビューするんだっ!
アイドルは恋愛禁止だから、
家族以外の男性と連絡はダメみたい。
番号も変えちゃうから、
緊急で急用の際はモトキを通してね。
諒くん。
今まで弱い私を支えて、守ってくれてありがとう。
みんなのそばにいると甘えちゃうし、守られてばかりじゃ強くなれないし、ちゃんと自立しようと思ったんだ。
成長できたらいつかフィッシャーズに戻ってきたいと思ってる。
人に頼られるかっこいい存在になったらまた仲間に入れてね。
A
読み終わった瞬間、脱力する。
疑問が多すぎて理解が追い付かない。
シ「え、アホなの?」
アホだよなと自分で自分に返し、
モトキに電話する。
すぐに出たモトキはきっと電話の内容を
俺が話す前にわかっていたんだろう。
モ「ごめん、アホを止められなかった。」
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月4日 23時