自分 ページ46
2人ともの縄を解いて、クロエさんの目を覚まさせた。
光希さんの息が落ち着いたところで、事情を詳しく聞いた。
(誰に殺られたんだ？！ セキナはどこに？！)
黄(……○○グループからの回しもんだ。お前が居ない間を狙われた。多勢に無勢だったし、奴ら、ガス使いやがった。)
(セキナは……まさか？！)
黄(そのまさかだ。傷ひとつ付けられずに連れていかれたよ。)
○○グループ……
数日前に、幹部3名とボスを殺し、グループを壊滅へと追い込んだばかりだった。
ただ、それがなんだって言うんだ。
グループは壊滅に追い込んで、手下の奴らも片っ端から殺したはずだ。
残党なんているわけ…
いや、1人居た。
確か幹部の内の1人の妻だった…
お腹に赤ちゃんがいるって言うから命ばかりは残しといてやった。
詰めが甘かった。
そいつに捨て台詞を吐いたような気がする。
(悔しかったら、お前が復讐してくることだな。もし、うちのボス殺しに来たら、お前を先に殺してやるからな？まぁ……お前みたいな女に、俺らは殺られないけどな。残念でした笑)
俺は仕事が波に乗って、天狗になっていた。
そんな厨二くさい発言で脅した結果、危うくセキナさんを死ぬ寸前までいかせてしまった。
これが、私がやらかした悲劇の結末。
下手な脅しをかけないようになったきっかけの大事件。
私のTRAUMA。
脅しは危険をはらむ。
二度としないと決めた。
ふと伸ばした手で、鏡を割りそうになり、危うく手を引っ込めた。
自分をまじまじと見つめる。
酷い顔だな。
性格の悪さが滲み出た顔だ。
でも世の中にはこの容姿を好む、悪趣味な奴らが居る。
この容姿のどこがいいんだか…
さぁ、いつまでもトイレに居るわけにはいかない。
トイレに長居なんて花子さんじゃあるまいし。
それに皆が探し始める可能性だってある。
メンバーの方々が女子トイレに入ってこられないからね笑
昔は男は度胸、女は愛嬌と言ったものだ。
どうせニッコリ笑顔が一番だから。
騙すことにおいても、機嫌をとることにおいても…
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作者名：青兎月 | 作成日時：2021年2月28日 16時
